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ねこたんの足あと

~あちこち行って。いろんなもの見て聞いて歩いて食べて。~

プロフィール

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yummy
居住地:
東京都
性別:
女性
自己紹介:
本業は小説を書くかたわら、
占いとヨガのサロンを主宰しています。

占いは手相とタロットカード。
ヨガは南インド ケララ州で州公認のインストラクター資格を取得しました。
少人数制のクラスを展開しています。
ご興味のある方は、
http://alvayu.jp
にアクセスしてみてくださいね。


小さい頃からアフリカに憧れていて、海外旅行デビューはエジプト。それからケニアへ行き、念願のサバンナに。アフリカのあとにアジアに行き始め、人からはよくルートが逆だよ、と言われました。

私はその国の何かひとつでも見たいものがあれば、どこへでも行きます。それがきっかけですが、あとは行き当たりばったり。何かをするため、にその国へ行くわけではなく、ただただその国に浸かるような旅をします。
だからこそ、生きた情報をその場で得ることができるのだと思います。

どちらかといえばカオス的な国を旅するのが好きですが、でも近年ヨーロッパも堪能しました。先進諸国もきっちり知り、その両方を知ることが大事だと思ってますから、あまり偏ることもありません。

もうずっとヨガ修行をするため、定期的にインドへ行っています。一回の旅行期間は約2ヶ月ほど。滞在型なのでその地については精通していきます。前回は昨年11月に、今年もまた秋に訪れる予定です。

私が旅先で出会ったできごとや人たち、おいしいものやホテルやショッピング、交通事情、失敗談や病気になったこと、コワかったことなどのトピックや情報が旅する人たちの役に立てばとてもうれしいです。

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ベトナム縦断生リポ〜再び、ホーチミン・1 旅の総仕上げ、マジェスティックホテル

2012/07/20 14:36
エリア:
  • アジア > ベトナム > ホーチミン
テーマ:
  • ホテル・宿泊
かなり不安だったゲストハウスをチェックアウトし、二〜三みやげを買って、いよいよこの旅のクライマックス、マジェスティックホテルへ。

だいたい長旅の最後は、いいホテルに泊まることにしている。
それも格調高いホテルに。歴史があるならなおいい。
ホーチミンなら、やはりマジェスティックだ。

ブイビエン通りからタクシーに乗り、ドライバーに「マジェスティックへ行って」と告げたときの快感。それまではどこへ行くにも行きたい場所があらゆるベトナム人に通じず、道を尋ねることにも四苦八苦していた。ところが、「マジェスティックホテル」なら、ホーチミン市に住むあらゆる人が知っている。発音など、この場合まったく関係がない。

マジェスティックホテルの手前まで来ると、ドライバーがクルマを止めた。
「ここでいいか?」
「いや、ホテルまで行って」
大きなザックを背負ったバックパッカーが、まさかマジェスティックの客だとは思わなかったのだろうか。
おあいにくさま、二泊するんですよー。
ホテル正面玄関にタクシーが横付けされると、ドアマンがすかさずタクシーのドアを開け、私ににっこり微笑みかけた。
ガラスの扉の向こうに入った瞬間、そこはもう別世界。
目の前にクラシカルな世界が広がった。
天井のシャンデリアのセピア色の光、重厚感のあるこげ茶色の柱やラウンジのイスやテーブル。落ち着いた静かな空気が、ブイビエンのあのいかがわしさもバイクの喧騒も粘りつく熱気も一瞬のうちに忘れさせる。
女性のコンシェルジュが素早く案内してくれた。
彼女の笑顔にはマジェスティックホテルのコンシェルジュだという誇りと自信が感じられた。それはこれまでベトナムで見てきたホテルの人間とはまったく違う。
その誇りと自信に裏打ちされた彼女の接客は、完璧だった。

部屋は5階のリバーサイドだ。
サイゴン川を見渡せる部屋を、と最初から予約しておいた。
マジェスティックホテルに泊まってサイゴン川が見えないのでは、意味がない。
ドア、クローゼット、デスク、そして床とすべてシックな茶で統一された部屋は、往年の歴史が感じられた。香港のシャングリラホテルもそうだったが、歴史ある格調高いホテルは、ただきれいで機能的で快適につくられすぎている今どきのホテルとは安定感が違う。
ふかふかなベッドに寝転がりたい気持ちを抑えつつ、まずはバルコニーを開けた。

目の前に横たわるサイゴン川。
ベトナムの肥沃な土と同じ色をした、たわわな水。
雨季のぶ厚い雲と溶け合う彼方。

これが、マジェスティックから見るサイゴン川か。

いろいろな小説で登場する場面。
作家が思わず書きたくなる気持ちがよくわかる。
だって見惚れてしまうもの。

けたたましいバイクの音とクラクション、船の汽笛に我に返る。
バルコニーの扉を閉めると静寂が戻る。
よく見ると、バルコニーの扉が二重になっている。
マジェスティックが近年改装したとは聞いていたが、なるほど、どうやら新しく防音ガラスの扉を付けたようだ。
表側のドアを閉めただけでは、バイクやクルマの走る音が、ほぼ素で聞こえてくるが、内側の扉を閉めると九九%は音が遮断される。
沢木耕太郎氏の「一号線を北上せよ」という本のなかで、マジェスティックに滞在した際、朝早くからバイクの音と、川沿いでの太極拳の号令で起こされたというくだりがあり、実は若干心配していたのだ。が、どうやらその心配はもはや無用らしい。

ああよかった、無事ここに辿り着けて。
ベトナムの旅はホーチミンから始まったのだが、最初のときにサイゴン川沿いの公園からマジェスティックホテルを眺め、二週間後にあのホテルに泊まるのだ、それをちゃんと果たせますように、と願った。
よかった、ここからの眺めを自分のものにできて。

帰国するまであとわずか。
それまではもうただいい気持ちで楽しみたい、ホーチミンが好きになれるように。
またベトナムに来たいな、と思えるようになるために。


●Info

☆ブイビエン通り〜マジェスティックホテル……
byヴィナサンタクシー(メーター) 47000VND


☆マジェスティックホテル……
予約は海外ホテル予約サイトでブッキング。いくつかのサイトを比較し、リバーサイドで朝食付きという最も条件がよく安いサイトを選択。
バウチャーは忘れずに。
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