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「ゴッホに美食に絶景に出会う、美術とビール漬けのオランダ・ドイツ旅」

2016/01/04 17:47
オランダ
エリア:
  • ヨーロッパ > オランダ > アムステルダム
  • ヨーロッパ > オランダ > ハーグ
  • ヨーロッパ > ドイツ > ドイツその他の都市
テーマ:
  • 世界遺産
  • / グルメ
  • / 歴史・文化・芸術
現在、トライさんのもとで、クララと一生懸命お勉強中のハイジであるが、昔は大の勉強苦手っ子で、フランクフルトに騙されて連れてこられた時は、勉強をしながら夢遊病に陥るという少女であった。

そんな彼女の成長に感動を覚えずにはいられないが、ドイツと聞いてそんなことが真っ先に頭に浮かんでくる自分にも恐れを覚えずにはいられない。

そんなこんなで、この度、カタール航空様とミキツーリスト様の招待を受け、オランダ・ドイツを巡る研修旅行に行ってきました。

オランダ、ドイツ・・。
チューリップとソーセージね。了解!
私は、とりあえずハイジがいた国ということだけを胸に刻み、仕事帰りの出発でも楽々、羽田空港深夜出発のカタール航空で出発した。
あまり期待せずに出発したオランダとドイツであったが、見事にその予想を裏切り、すっかり胸いっぱい、二日酔い、体重増加の状態で帰国した。

ゴッホに出会い、可愛い町並みに出会い、ビールとワイン漬けになった今回の旅、美術とお酒が好きな人には、是非とも行っていただきたいと思います。

オランダと言えば、ミッフィーちゃんの故郷でもある。

今回の旅行には、エアライン・オブ・ザ・イヤー2015で一位となったカタール航空を利用しました。
乗る前から周りの評判がとても高く、非常に楽しみに乗り込んだのですが、本当に素晴らしかったです。
まず、機内食がとても美味しい!今回エコノミークラスにもビジネスクラスにも乗せていただきましたが、エコノミークラスの食事も、私の地上での食事よりも美味しいかもしれないぐらい。ビジネスクラスに至っては、空の上の5つ星レストランとうたっているだけあり、寿司の握りからステーキまで、もう声も出ない程美味しく、飲み放題のシャンパンとワインも種類が豊富で、最高にお腹いっぱいに酔っぱらった後はフルフラットのシートでぐっすりという、まるで楽園のような時間を過ごせます。
また、機内エンターテイメントも1000以上のプログラムがあり、日本語で見られる映画もたくさんあり、全く退屈しませんでした。
移動時間が楽しいって、遠くへ旅行に行く際には本当に大事です。
そして今回は、ドーハからアムステルダムへのファーストフライトに乗せていただくことができました。ドーハを起点に、世界中へフライト網を広げているカタール航空さん、これでまた私たちの旅行は便利になりました。

ドーハ空港のクマさん。THE芸術。


さて、みなさんはアムステルダムのことをどれぐらいご存じでしょうか。

以前KLMオランダ航空でフランスに行った時、同じ飛行機になった方が「乗継ぎだけだと思ってたんだけどね!すごく良かったの!次来るときは絶対にアムステルダムで降りてね!」と言われたことがある。
「ふーん、アムステルダムね〜。そうですね〜、こんど乗継ぎがあればね〜」と、非常に失礼な返事をしていた私でしたが、今回本当に予想を裏切ってくれました。
現地のガイドさんから聞いたお話でも、ヨーロッパの違う国に行かれて、帰りに一泊二泊しただけなのに「今回の旅で一番良かったのはオランダでした」という声が多いとのこと。
可愛くて美術が溢れる、運河に囲まれた都市アムステルダム。
さてさて、どんな街でしょう。(チューリップだけじゃないですよ!)

運河の町アムステルダムは、歩いても回れますが少し疲れるので、上手くトラムを使うことをお勧めします。
アムステルダムカードというカードを使うと、バスやトラムに乗り放題の上、色々なお店で割引を受けられたり、長蛇の列ができている美術館などに、優先レーンを使ってさっと入れたりしちゃいます。
私はこのカードを使ってゴッホ美術館に行きましたが、優先レーンを使える上に入場料が無料という、なんともお得な気持ちになりました。
ただ、カード自体の値段も結構するので、一日中アムステルダムを遊びつくそうという日に使われるのをお勧めします。

アムステルダムは、あの有名なレンブラントの「夜警」やフェルメールの「牛乳を注ぐ女」を所蔵している国立ミュージアムから、ゴッホ美術館、アンネ・フランクの家など、見どころがたくさん。
意外と、一日では遊びきれない程楽しむところがあります。
「そんなの知ってるよ!」と、みなさんに突っ込まれそうなので、ちょっと変化球なアムステルダムの面白い所。
それがこれ。



お家が傾いているのが分かりますか?
オランダでは、地盤沈下で土地から傾いてしまっていたり、骨組みの木が湿気を吸ってしまっていたり、原因は色々言われていますが、傾いているお家が本当に多いのです。
あまりにも傾きすぎて、窓が開かなくなったり、ドアが勝手に開いたり、床に置いたものが転がっていったりなど、日本なら間違いなく幽霊物件になるような家もたくさんあるそう。
右左前後に支えあいながら傾いている建物たちですが、前に向かって傾いているものは、荷物を持ち上げやすいように元々わざと傾けて建てていたそう。オランダの家は階段が非常に狭く、荷物を運び入れるのが大変なため、元々屋根の下当たりに滑車がついているのです。
その滑車を使い荷物を目的の階の窓まで運び、窓から中にいれるのが伝統的な搬送方法。その時に荷物が家に当たるのを防ぐために、元々斜めに設計されているのです。
今でも古いホテルや小さいホテルでは、スーツケースをこの方法で運ぶ所もあるとか。面白いほどに傾いていますが、これも歴史、と傾いた家で工夫をしながら暮らしているオランダの人が素敵だなと感じました。

そして、今回の旅は芸術旅と言ってもいいぐらい、たくさんの芸術に出会うことができました。私は特に美術に詳しいわけでも何でも無いのですが、やっぱり本物は胸に迫るものがありました。
今回はアムステルダムのゴッホ美術館、ハーグのマウリッツハイス美術館、オッテルローのクローラー・ミュラー美術館へ行ってきましたので、少しご紹介したいと思います。

残念ながらゴッホ美術館は館内撮影禁止でしたが、ゴッホの人生を、彼の書いた絵や手紙と一緒に彼の人生を勉強できます。
約10年という芸術家人生のうちで、2000以上もの作品を残した彼。作風も心情とともに移り変わって行ったりして、とても面白い。
そして驚くのは、贋作かと思うほど、同じような絵を何点も書いていたこと。芸術作品とは別に、商売のための絵を描かなくてはならなかったとのことですが、ひまわりの絵がたくさんあって、どれがいつも教科書で見ていたものか分からない程でした。
結局彼の生前にはほとんど売れなかったという絵。それが今は単独の国立美術館までできているのだから、彼が死ぬ時に何を考えていたかと思うと、感慨深かったです。

ゴッホ美術館


ハーグは、アムステルダムから車で1時間半程のところにあります。
東京でいう霞が関のような町で、本大使館を始め、国会議事堂などの政府機関が多く集まっています。見どころは大体町の中心地に集まっており、13世紀に建てられた国会議事堂は一見の価値があります。そして国会議事堂の隣に、かの有名なフェルメールの「真珠の耳飾りの少女」の絵や、レンブラント、ヤン・ステーンの絵が展示されているマウリッツハイス美術館があります。

レンブラントの「テュルプ博士の解剖学講義」は、元々左端の人はいなかったのに、絵が素晴らしいので、ぜひ自分も追加してくれとの依頼を受け、無理やり構図に入れ込んだとか。
そういわれると、何だか彼一人だけ仲間外れに見えてくるから面白い。
右から見るのと、左から見るのでは、解剖されている囚人の大きさが変わって見え、色々と計算されて絵は描かれているのだなぁと、勉強になりました。

テュルプ博士の解剖学講義


真珠の耳飾りの少女


オッテルローのクローラー・ミュラー美術館は、こちらもアムステルダムから車で1時間半程のところにあります。
ここは、アムステルダムのゴッホ美術館と並び、ゴッホの作品がたくさん展示されていることで有名で、有名な「星空のカフェテラス」や「糸杉」などを観ることができます。広大な公園の中にぽつんとあるので、公園の中をサイクリングして楽しむこともできます。

糸杉


星空のカフェテラス


馬鈴薯を食べる人々


そして今回の旅で、一番楽しみにしていた場所、フロイデンベルグへ。
ここは最近日本のテレビ局もよく取材に訪れているという、まだそこまで有名になっていないけれども、素晴らしい街なのです。
伝統的な白黒の木組み建築が整列して並んでいる姿は、一見の価値ありです。







町自体は、三本の短い通りしかない小さな町で、現在54棟ある白黒のお家に住んでいる人たちは、とってもフレンドリーに接してくれます。
それぞれのお家を表すマーク?もみんなで付けてあるので、それを見てその家の住人を推測するのも面白いかもしれません。

斧を持ってるからキコリ?


銃を持ってるから猟師?


そして、町を一望できる丘の上からの景色はまた格別。









ちょっと目がチカチカしてくる程、キレイに並んでいて、感動します。
まだあまり人の訪れていな今、時代を先取りして自慢するには、絶好のチャンスです。

美術を堪能した後は、味覚でも楽しんでまいりました。
ドイツは、さすがビールの国だけあって、どこで飲んでも非常に美味しいビールに出会えました。
そんな中でもお勧めなのが、ケルンのビール。ケルシュという地ビールで、200ミリリットル入りの小さなぐらいに入ってでてきます。フルーティでとても美味しいのですが、気を付けていただきたいのが、地元流の飲み方。
空になったグラスを置いておくと、有無を言わさずにさっと新しいケルシュと交換されてしまいす。コースターに線を書いて、最後はその数を見て計算するのですが、飲み終わって、他のものを注文しようかなと思って、ちょっとよそ見をしていると、あっという間に新しいグラスが目の前に。
そのままにしておくと、ずっとケルシュを飲み続けることになるので、もう終わりというタイミングで、さっとコースターをコップの上に置いて、意思表示をしましょう。

この量を持って、店内を回っています。


目に美味しく、心に美味しく、お口に美味しかったこの旅。
太っても酔っぱらっても、心が豊かになる景色、芸術、そして食事に出会えた大満足な旅になりました。
是非、乗継だけじゃないオランダと、まだあまり知られていないフロイデンベルグもあるドイツを次の旅の候補にしてみてください。

オモチャの様な町にて


フロイデンベルグ★★★★★
一見の価値あり!絶景ともいえる景色を是非。

マウリッツハイス美術館★★★
こじんまりとした美術館ですが、大充実の内容。

(2015年6月 大野史子)
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