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エリア:
- アジア > 台湾 > 花蓮(ホアリェン)
- アジア > 台湾 > 阿里山(アーリーシャン)
- アジア > 中国 > 西安(セイアン)
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テーマ:
- 世界遺産
- / 歴史・文化・芸術
- / 自然・植物
入社後2回目の海外出張は中国の西安+台湾一周の旅。
どちらも初めて訪れるため私にとっては未知の国。
今回の旅は事前にテーマを決め、中国では「中国4000年の歴史を感じる旅」。台湾では「台湾に残る日本の面影を探す旅」をテーマにまわってきたのでその様子を紹介してゆきたいと思います。
≪西安≫
中国の歴史上最も多くの王朝の都になった西安。中国文明発祥の地として世界4大文明古都の一つにも認められています。そんな西安には今も歴史的に重要な史跡が数多く残されています。
〈兵馬俑抗〉
世界の8大奇跡と呼ばれる兵馬俑抗。地元農民による井戸掘の際に偶然発見されたのだそう。兵馬俑抗には死後の始皇帝を守るため始皇帝陵を背に身長180cmの等身大に作られた約8000体の兵馬俑が展示されています。また兵馬俑坑は発掘された順に主力部隊の兵馬俑が並ぶ1号坑、騎馬戦車隊の兵馬俑が並ぶ2号坑、指令部の役人兵馬俑が並ぶ3号坑の3つの抗に分けられています。
・1号抗
修復途中の兵馬俑。発掘された部品一つ一つを組み合わせて復元されるそう。気の遠くなるような作業です…
・2号抗
2号抗は発掘がまだ進んでいません。
2号抗から発掘された兵馬俑。こんな完璧な状態で発掘されたとは驚きです。
・3号抗
・銅馬車
今にも走り出しそうです
兵馬俑と記念撮影
写真や映像ではよく見る兵馬俑ですが実際に見るとその数の多さに圧倒されました。ちなみに8000体の兵馬俑は一つとして同じ顔のものがなく、実在した兵士をモデルに一体一体手作業でつくられたのだそう。こんなにも精巧な兵馬俑が2000年以上前につくられたというのだから驚きです。
〈華清池〉
華清池は西安市内から約30kmの驪山の麓に位置する温泉地で、秦の始皇帝などの歴代皇帝の保養地として利用されてきました。この華清池を有名にしたのが唐代の玄宗皇帝と楊貴妃とのロマンス。2人は毎年冬から春にかけてこの華清池で享楽生活にふけり、その贅沢極まる華清池での生活は白楽天の有名な「長恨歌」でも歌われています。現在も華清池には楊貴妃が入浴していた「海棠湯」、玄宗皇帝が入浴していた「蓮華湯」などの浴槽が当時のまま残されています。またこの華清池は蒋介石が監禁された西安事件の舞台としても有名です。
楊貴妃の像
楊貴妃専用の海棠湯
玄宗皇帝専用の蓮華湯
湧き出る天然温泉。美人の湯として有名でペットボトルに詰めて持ち帰る人も多いです
〈大雁塔〉
西安のシンボルとも言える大雁塔。
西遊記でおなじみの三蔵法師がインドから持ち帰った仏典や仏像を保管するため642年に建てられました。
大雁塔は登ることもでき最上階からは西安市内が一望できます
夜の大雁塔もライトアップされ美しいです
〈ムスリムストリート〉
西安はシルクロードの起点で世界各地のレシピが集まった美食の街でもあります。そんな西安の美食グルメが一同に集まるのがこのムスリムストリート。食べ歩きにオススメです。
≪台湾≫
1895年から約50年間続いた日本統治の影響でいまでも日本の文化や歴史、建物が残る台湾。
そんな日本とゆかりの深い台湾での旅のテーマは「日本を探す旅」
台北→嘉義→台南→花蓮→台北と日本の面影を探しながら台湾を一周してきました。
〈嘉義〉
台湾の南部に位置する嘉義は日本統治時代日本人監督の下で台湾の高校生たちが台湾代表として甲子園に出場したという実話をもとに作られた映画「KANO」の舞台になったことでも有名です。嘉義は日本とのつながりが深い街で現在も日本統治時代の建物が数多く残ります。また台湾1のパワースポットとしても有名な阿里山への玄関口となる街です。
・嘉義公園
嘉義公園内の嘉義史跡資料館は日本統治時代、嘉義神社の社務所でした。館内はまるで昭和の日本。タイムスリップしたかの様な不思議な気分が味わえます。
・檜意森活村
日本統治時代、檜意森活村は檜が有名な阿里山で林業関係の仕事に携わった人たちの宿舎でした。どの宿舎も檜で作られていることからヒノキビレッジとも呼ばれています。現在は木造宿舎がリノベーションされ観光スポットになっています。
KANOのロケ地に使われました
・阿里山
タイワンヒノキが有名な阿里山。阿里山に自生するタイワンヒノキは靖国神社の神門や東大寺の垂木など日本の神社仏閣でも数多く使われており日本とのつながりも深い場所です。
阿里山へ向かう途中南台湾の九份とも呼ばれる奮起湖へ立ち寄りました
昼食に奮起湖名物の駅弁を
阿里山森林遊楽区の入り口である沼平駅には毎週水曜日檜で出来た檜列車が走っています。近くを通るだけで檜の良い香り。実際に乗ることもできるので機会があれば是非!
阿里山の森林遊楽区では檜の森を散歩できます
・烏頭山ダム
日本人の八田與一が建設指揮をしたことで有名な当時アジア最大と言われた烏山頭ダム。台南市内から車で40分ほどの場所にあります。烏山頭ダムは干ばつや洪水に悩まされていた嘉南平野を豊かな水田地帯に変え地元農民を救いました。この功績から八田與一は今でも台湾国内で英雄として讃えられています
映画KANOのロケ地にも使われました
敷地内にはフェニックスの木が生い茂っています
ダム一面を見晴らせる丘の上に八田與一の銅像が建てられています。
隣接する八田記念公園には当時のダム技師の日本人宿舎が復元されています
〈台南〉
台湾の京都とも言われる歴史がつまった街台南は日本やスペイン、オランダなどの支配を受けてきた歴史から多彩な文化が入り混じるスポットが各所に残されています。日本との関わりの深い場所も多く、今回はそちらをメインにまわりました。
・飛虎将軍廟
飛虎将軍廟は神様になった日本人杉浦繁峰供養のために建てられた廟です。大東亜戦争中、杉浦の操縦する戦闘機が敵機の攻撃により墜落しそうになりました。その際、パラシュートをつかって脱出することもできましたが目の前の村に墜落し犠牲者がでるのを避けるため自らの命を犠牲にし最後まで操縦桿を握り村を避けて墜落しました。その後村人たちは自分の命を犠牲にして村をまもってくれた杉浦の供養のためと、彼を神様として祀るためこの廟を建てました。
愛煙家だった杉浦の為、ここでは線香の代わりにタバコをお供えします
・林百貨
林百貨は日本人の林方一が日本統治時代に開業した台湾南部初のデパートで現在は商業施設として生まれ変わっています。百貨内には可愛い雑貨屋が多いので女性にオススメです。
第二次世界対戦中にうけた爆撃跡が残されていました。長い歴史を感じます。
・花園夜市
毎週木、土、日曜日に開催される台南最大の夜市である花園夜市。ここには台湾の美味しいものが一同に集結します。
〈花蓮〉
太魯閣峡谷の入り口として有名な台湾東部の街花蓮。実は日本とつながりの深い街で市内には日本統治時代の建物が数多く残されています。
・松園別館
1942年に旧日本軍の司令所として建てられた松園別館。花蓮で最も完成度の高い日本建築とも言われています。現在は台湾歴史百景にも選ばれ、セミナーや展覧会の行われる文化施設として利用されています。
現在はおしゃれな雑貨さんに
実際に使われた防空壕が残されています
・太魯閣峡谷
太魯閣峡谷は大理石の岩盤が侵食されて形成された大峡谷で、その美しさから台湾八景にも選ばれる台湾随一の人気スポットです。
〈台北〉
・十份
台北から電車で1時間半、山の山間部に十份はあります。線路に沿ってたくさんのお店が並び、ノスタルジックな雰囲気が漂う静かな街です。十份はランタン上げが有名です。
ランタン上げをやってみました
昼間でもこのランタン上げはできますが、夜に上げると赤いランタンの光が夜空に輝く美しく幻想的な光景が見られます。
・九份
写真1186
千と千尋の神隠しのモデルなったともいわれる九份は日本統治時代に金鉱山として栄えた街です。台湾NO1の人気スポットとあって大賑わいでした。
台湾は想像以上に日本が残るところでした。
過去には日本が統治、いわば占領していたという歴史がありながらも台湾の人々は日本に悪いイメージを持たず、むしろ日本のおかげで台湾の文化が発展したのだとプラスのイメージをもってくれていました。
そんな日本と繋がりが深い台湾。今後も友好関係が継続し、そして多くの人に台湾を訪れ素晴らしさを知ってもらえたらと願います。
西安:★★★★ 中国史を学んでからの観光がお薦め。歴史を知ると感動は倍増です!
嘉義:★★★★ 日本がたくさん残る嘉義の街ではぜひ日本を探す旅を
台南:★★★★★ 歴史とグルメの町。台南のグルメを満喫するなら花園夜市がおすすめ!
花蓮:★★★★ タロコ峡谷もいいけど市内散策もお薦めです
(2016年5月 下根光貴 )
どちらも初めて訪れるため私にとっては未知の国。
今回の旅は事前にテーマを決め、中国では「中国4000年の歴史を感じる旅」。台湾では「台湾に残る日本の面影を探す旅」をテーマにまわってきたのでその様子を紹介してゆきたいと思います。
≪西安≫
中国の歴史上最も多くの王朝の都になった西安。中国文明発祥の地として世界4大文明古都の一つにも認められています。そんな西安には今も歴史的に重要な史跡が数多く残されています。
〈兵馬俑抗〉
世界の8大奇跡と呼ばれる兵馬俑抗。地元農民による井戸掘の際に偶然発見されたのだそう。兵馬俑抗には死後の始皇帝を守るため始皇帝陵を背に身長180cmの等身大に作られた約8000体の兵馬俑が展示されています。また兵馬俑坑は発掘された順に主力部隊の兵馬俑が並ぶ1号坑、騎馬戦車隊の兵馬俑が並ぶ2号坑、指令部の役人兵馬俑が並ぶ3号坑の3つの抗に分けられています。
・1号抗
修復途中の兵馬俑。発掘された部品一つ一つを組み合わせて復元されるそう。気の遠くなるような作業です…
・2号抗
2号抗は発掘がまだ進んでいません。
2号抗から発掘された兵馬俑。こんな完璧な状態で発掘されたとは驚きです。
・3号抗
・銅馬車
今にも走り出しそうです
兵馬俑と記念撮影
写真や映像ではよく見る兵馬俑ですが実際に見るとその数の多さに圧倒されました。ちなみに8000体の兵馬俑は一つとして同じ顔のものがなく、実在した兵士をモデルに一体一体手作業でつくられたのだそう。こんなにも精巧な兵馬俑が2000年以上前につくられたというのだから驚きです。
〈華清池〉
華清池は西安市内から約30kmの驪山の麓に位置する温泉地で、秦の始皇帝などの歴代皇帝の保養地として利用されてきました。この華清池を有名にしたのが唐代の玄宗皇帝と楊貴妃とのロマンス。2人は毎年冬から春にかけてこの華清池で享楽生活にふけり、その贅沢極まる華清池での生活は白楽天の有名な「長恨歌」でも歌われています。現在も華清池には楊貴妃が入浴していた「海棠湯」、玄宗皇帝が入浴していた「蓮華湯」などの浴槽が当時のまま残されています。またこの華清池は蒋介石が監禁された西安事件の舞台としても有名です。
楊貴妃の像
楊貴妃専用の海棠湯
玄宗皇帝専用の蓮華湯
湧き出る天然温泉。美人の湯として有名でペットボトルに詰めて持ち帰る人も多いです
〈大雁塔〉
西安のシンボルとも言える大雁塔。
西遊記でおなじみの三蔵法師がインドから持ち帰った仏典や仏像を保管するため642年に建てられました。
大雁塔は登ることもでき最上階からは西安市内が一望できます
夜の大雁塔もライトアップされ美しいです
〈ムスリムストリート〉
西安はシルクロードの起点で世界各地のレシピが集まった美食の街でもあります。そんな西安の美食グルメが一同に集まるのがこのムスリムストリート。食べ歩きにオススメです。
羊肉の串焼き「シシカバブ」
西安風ハンバーガー「ロージャーモー」
≪台湾≫
1895年から約50年間続いた日本統治の影響でいまでも日本の文化や歴史、建物が残る台湾。
そんな日本とゆかりの深い台湾での旅のテーマは「日本を探す旅」
台北→嘉義→台南→花蓮→台北と日本の面影を探しながら台湾を一周してきました。
〈嘉義〉
台湾の南部に位置する嘉義は日本統治時代日本人監督の下で台湾の高校生たちが台湾代表として甲子園に出場したという実話をもとに作られた映画「KANO」の舞台になったことでも有名です。嘉義は日本とのつながりが深い街で現在も日本統治時代の建物が数多く残ります。また台湾1のパワースポットとしても有名な阿里山への玄関口となる街です。
・嘉義公園
嘉義公園内の嘉義史跡資料館は日本統治時代、嘉義神社の社務所でした。館内はまるで昭和の日本。タイムスリップしたかの様な不思議な気分が味わえます。
・檜意森活村
日本統治時代、檜意森活村は檜が有名な阿里山で林業関係の仕事に携わった人たちの宿舎でした。どの宿舎も檜で作られていることからヒノキビレッジとも呼ばれています。現在は木造宿舎がリノベーションされ観光スポットになっています。
KANOのロケ地に使われました
・阿里山
タイワンヒノキが有名な阿里山。阿里山に自生するタイワンヒノキは靖国神社の神門や東大寺の垂木など日本の神社仏閣でも数多く使われており日本とのつながりも深い場所です。
阿里山へ向かう途中南台湾の九份とも呼ばれる奮起湖へ立ち寄りました
昼食に奮起湖名物の駅弁を
阿里山森林遊楽区の入り口である沼平駅には毎週水曜日檜で出来た檜列車が走っています。近くを通るだけで檜の良い香り。実際に乗ることもできるので機会があれば是非!
阿里山の森林遊楽区では檜の森を散歩できます
豚の形をした檜の幹
・烏頭山ダム
日本人の八田與一が建設指揮をしたことで有名な当時アジア最大と言われた烏山頭ダム。台南市内から車で40分ほどの場所にあります。烏山頭ダムは干ばつや洪水に悩まされていた嘉南平野を豊かな水田地帯に変え地元農民を救いました。この功績から八田與一は今でも台湾国内で英雄として讃えられています
映画KANOのロケ地にも使われました
敷地内にはフェニックスの木が生い茂っています
ダム一面を見晴らせる丘の上に八田與一の銅像が建てられています。
隣接する八田記念公園には当時のダム技師の日本人宿舎が復元されています
〈台南〉
台湾の京都とも言われる歴史がつまった街台南は日本やスペイン、オランダなどの支配を受けてきた歴史から多彩な文化が入り混じるスポットが各所に残されています。日本との関わりの深い場所も多く、今回はそちらをメインにまわりました。
・飛虎将軍廟
飛虎将軍廟は神様になった日本人杉浦繁峰供養のために建てられた廟です。大東亜戦争中、杉浦の操縦する戦闘機が敵機の攻撃により墜落しそうになりました。その際、パラシュートをつかって脱出することもできましたが目の前の村に墜落し犠牲者がでるのを避けるため自らの命を犠牲にし最後まで操縦桿を握り村を避けて墜落しました。その後村人たちは自分の命を犠牲にして村をまもってくれた杉浦の供養のためと、彼を神様として祀るためこの廟を建てました。
愛煙家だった杉浦の為、ここでは線香の代わりにタバコをお供えします
・林百貨
林百貨は日本人の林方一が日本統治時代に開業した台湾南部初のデパートで現在は商業施設として生まれ変わっています。百貨内には可愛い雑貨屋が多いので女性にオススメです。
台湾南部初のエレベーター
第二次世界対戦中にうけた爆撃跡が残されていました。長い歴史を感じます。
・花園夜市
毎週木、土、日曜日に開催される台南最大の夜市である花園夜市。ここには台湾の美味しいものが一同に集結します。
〈花蓮〉
太魯閣峡谷の入り口として有名な台湾東部の街花蓮。実は日本とつながりの深い街で市内には日本統治時代の建物が数多く残されています。
・松園別館
1942年に旧日本軍の司令所として建てられた松園別館。花蓮で最も完成度の高い日本建築とも言われています。現在は台湾歴史百景にも選ばれ、セミナーや展覧会の行われる文化施設として利用されています。
現在はおしゃれな雑貨さんに
実際に使われた防空壕が残されています
・太魯閣峡谷
太魯閣峡谷は大理石の岩盤が侵食されて形成された大峡谷で、その美しさから台湾八景にも選ばれる台湾随一の人気スポットです。
〈台北〉
・十份
台北から電車で1時間半、山の山間部に十份はあります。線路に沿ってたくさんのお店が並び、ノスタルジックな雰囲気が漂う静かな街です。十份はランタン上げが有名です。
ランタン上げをやってみました
昼間でもこのランタン上げはできますが、夜に上げると赤いランタンの光が夜空に輝く美しく幻想的な光景が見られます。
・九份
写真1186
千と千尋の神隠しのモデルなったともいわれる九份は日本統治時代に金鉱山として栄えた街です。台湾NO1の人気スポットとあって大賑わいでした。
台湾は想像以上に日本が残るところでした。
過去には日本が統治、いわば占領していたという歴史がありながらも台湾の人々は日本に悪いイメージを持たず、むしろ日本のおかげで台湾の文化が発展したのだとプラスのイメージをもってくれていました。
そんな日本と繋がりが深い台湾。今後も友好関係が継続し、そして多くの人に台湾を訪れ素晴らしさを知ってもらえたらと願います。
西安:★★★★ 中国史を学んでからの観光がお薦め。歴史を知ると感動は倍増です!
嘉義:★★★★ 日本がたくさん残る嘉義の街ではぜひ日本を探す旅を
台南:★★★★★ 歴史とグルメの町。台南のグルメを満喫するなら花園夜市がおすすめ!
花蓮:★★★★ タロコ峡谷もいいけど市内散策もお薦めです
(2016年5月 下根光貴 )