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エリア:
- ヨーロッパ > イタリア > カプリ島
- ヨーロッパ > イタリア > シラクーサ
- ヨーロッパ > イタリア > イタリアその他の都市
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テーマ:
- 世界遺産
- / グルメ
- / 歴史・文化・芸術
昔、イタリア嫌いなイタリア人の友人が「イタリアなんて何もないよ!良いところはピッツァくらいだね」と言った言葉が忘れられない。
それから私にとってイタリアとは、何もないけどロミオとジュリエットの国ぐらいの認識であって、まぁいつか行くことがあるとしても、ロミジュリごっこでもしに、舞台となったヴェローナぐらいかなと思っていた。
自ら行く可能性はほぼほぼ0パーセントであった国に、今回出張でお邪魔することになった。しかも行先はナポリ、カプリ、シチリア。
ロミオもジュリエットも短い人生の中、一度も行った事がないであろう行先。
家族には「いいやん、シチリア!ゴッドファーザーがいるよ!憧れのマフィアの聖地やで!」と送り出された。
いやいや。極道の妻になるのが夢だったのは小学生までの話であって、私ももういい大人である。イケメンマフィアに騙されないようにと、心新たに出発した。
そして数日後。
見知らぬイタリア人に誘われ、カフェでへらへらお茶をしている私がいた。
人生何があるか分からないから面白い。
残念ながらマフィアに会うことはありませんでしたが、景色・建築物の素晴らしさもさることながら、ほとんど言葉の通じない会話でありながらも、お茶を御馳走になり、夕食を御馳走になり、イタリア人の優しさにすっかり心奪われた今回の旅。
少しでも皆様のご旅行の参考になりますように。
まず訪れたのはカプリ島。
ナポリからフェリーで向かうのですが、事前にフェリーチケットはインターネットで購入済みだったので、簡単に乗ることができました。
カプリ島と言えば、青の洞窟。
青の洞窟と言えば、カプリ島。
沖縄にある青の洞窟にはよく遊びに行っていたので、ずっと本物はいかほどに美しいのかと興味があったのです。
それはそれは楽しみにしていた本家青の洞窟。
「今日はね、水位が高いからでないよ」
ええええ!カプリには一泊しかしないのに・・・ナンタルチヤ!サンタルチア!(最近の子には通じないギャグ)
急遽ガイドブックを取り出し、レストランのおじさんに聞いたお勧めハイキングコースへと出発した。
ハイキングコースは約2時間。ハイキングをする予定など毛頭なかった私は、重たいブーツで息を切らしながらコース途中にある心臓破りの階段を登ることになったが、このハイキングコースからの眺めも絶景!
そしてカプリの町並みはとても可愛らしくて、タイルやお花を使って上手に住んでいるお家を見ているだけで楽しくなってきます。
港のある中心地、カプリ地区はやはり観光客が非常に多く、色んなお店から日本語や韓国語で話しかけてもらいました。
滞在ホテルは、中心地からバスで20分程度かかるアナカプリ地区だったのですが、こちらは団体客がいないので、のんびりとお散歩することもできます。バスでの移動は少し面倒ですが、バスも頻繁に出ているので、宿泊はアナカプリ地区が正解なのかなという感じがしました。
青の洞窟に入れなかったらどうしよう・・ホテルで寝るか、などと考えていたのですが、全く問題なくカプリ島を楽しむことができました。
もし青の洞窟に入れなかった時のために、しっかりした靴を一足持っていかれるのをお勧めします。
その後訪れたシチリア島では、専用車・バス・列車を駆使して素朴で美しい島を満喫しました。
さて、そんなシチリアにある「パラッツォ・アドリアーノ」という街を、みなさんご存じでしょうか。
パレルモから車で約二時間もかかるその小さな街に行くには、専用車を利用しなくてはならず正直実際に行ってみるまで、ちょっとしんどいなどと考えていたのですが、車から降りた瞬間、映画のセットの中に迷い込んだような錯覚を覚えました。
それもそのはず、この街はある名作映画のロケ地として、公開から28年が経った今なお、世界中のファンが集まってくるのです。
映画好きでなくても一度は聞いたことがあるであろう「ニューシネマパラダイス」
イタリア国内だけではとどまらず、日本で上演された際にも大ヒットした、不朽の名作として知られるこの作品ですが、撮影時よりは多少建物はキレイになっているものの、ほぼ映画の中のままの姿を見ることができます。映画の中と同じく、素朴で優しそうな人たちが行きかう広場に立つと、今にも主人公トトが笑顔で走ってきそう。
町の中では、トトがエレナをくどいた教会や、トトの家を実際に見ることもできます。
残念ながら映画館は現在ありませんが、すぐ近くの建物で、主人公トト役をした俳優、カシオの親戚などが「ニューシネマパラダイス博物館」を運営しており、撮影当時の貴重な写真や小道具などを見ることができます。
「今でもこの町の唯一の娯楽は映画ですよ」と言われたら信じてしまいそうなくらい、大きなスーパもなければゲームセンターももちろん無い町の中には、とても心地いい静けさが流れていました。
少し遠いですが、映画ファンであれば是非お勧めの観光地です。
パレルモはシチリア2番目の都市というだけあり、見所がたくさんあって、一日では回れないくらいでした。
建築や歴史が分かっていればもっと面白かったと思うのですが、無知な私がみても素晴らしいと感じるものがたくさん。
そして、一風変わった観光地へも足を運んできました。
旧市街から少し離れた場所にあるそこは、入り口も小さくひっそりとしています。
そして、地下へと降りていくと、さっきまで外で大笑いしていた観光客たちも段々、神妙な顔つきになってくる。それもそのはず、そこに並んでいるのは8,000体ものミイラたちなのです。
カプチン派のカタコンベは、バスに乗って少しの距離にあります。
手を伸ばせば届きそうな距離にずらりと並ぶその姿は、最初はとても怖く難じるのですがそのうちにとても不思議な気持ちへと変わっていきます。
生きると云う事は死へと日々進んでいくことであって、生きている時間より死んでいる時間の方が圧倒的に長いという当たり前のことを気づかせてくれます。
そして二歳のままで時を止めてしまった少女のミイラは、1920年に亡くなったとは思えないほど、約100年の時を経た今でもなお、眠り続けているようにその姿をとどめていました。
写真撮影は禁止されていますが、日本ではなかなかできない体験でもありますので、お時間があれば足を運んでも面白いかもしれません。
今回の旅で、観光客が多い街や観光客相手の人には英語でも問題なく話すことができましたが、英語が通じない場面も多々ありました。
しかしそんな旅の中、たくさんの温かいイタリアの人達に助けていただき、無事に旅を終えることができました。
日本では考えられない事ですが、8時間もかかる列車移動で仲良くなった夫婦に夕食をご馳走になり、タクシーの運転手さんに朝ご飯をご馳走になるという、なんともありがたい経験もすることができました。どちらもほとんど英語は通じなかったのに、見ず知らずの私にこんなに良くしてくれる人たちの優しさにとても心が温かくなりました。
果たして逆の立場だったとして、そこまで旅行者に優しくなれるだろうか。自分自身を省みるいい機会にもなりました。
コーヒーとマフィンを御馳走してくれたタクシー運転手さんは、今までイタリアを出たことが無いそう。(と思う。片言なのでもしかしたら違うかも知れない)でも、日本は大好きだと言ってくれていた。(と思う)
日本は決して運転手さんが言うように良いところばかりの国ではないと思うのですが、今後彼が出会う日本人が、優しい彼の心を傷つけることの無いようにと心から祈るばかりです。
そして彼がしきりに言っていた「アーモンド!」「ナッツ!」という言葉が頭から離れない。
果たして、彼は私に何を伝えようとしていたのか。
彼の実家がアーモンド農園なのか、もしくはアーモンドは健康に良いよということなのか、アーモンドの花の季節はキレイだから見においでということなのか。
謎は謎のまま、彼は優しい笑顔で、旅立つ私を見送ってくれた。
世界に新たに一つ増えた謎は、いつかまた私をイタリアへ呼んでくれるかもしれない。
海外では特に、十分に安全に気をつけなくてはいけないが、こういった出会いも旅の醍醐味だと再認識。
旅とは観光地を見ることだけではないから面白い。
ローマやベネチアのTHE観光地を巡る旅行も、とても魅力的で楽しいと思いますが、素朴で優しい人たちが暮らすシチリアへのご旅行はいかがでしょうか。
パラッツォ・アドリアーノ★★★★★
是非映画を見た後に!映画を見れば必ず行きたくなるはずです。
カプリ★★★★
海が好きな人なら大満足のリゾート
イタリアの人たち★★★★★
出会った人達みな良い人でした。出会いに感謝。
(2016年11月 大野史子)
それから私にとってイタリアとは、何もないけどロミオとジュリエットの国ぐらいの認識であって、まぁいつか行くことがあるとしても、ロミジュリごっこでもしに、舞台となったヴェローナぐらいかなと思っていた。
自ら行く可能性はほぼほぼ0パーセントであった国に、今回出張でお邪魔することになった。しかも行先はナポリ、カプリ、シチリア。
ロミオもジュリエットも短い人生の中、一度も行った事がないであろう行先。
家族には「いいやん、シチリア!ゴッドファーザーがいるよ!憧れのマフィアの聖地やで!」と送り出された。
いやいや。極道の妻になるのが夢だったのは小学生までの話であって、私ももういい大人である。イケメンマフィアに騙されないようにと、心新たに出発した。
そして数日後。
見知らぬイタリア人に誘われ、カフェでへらへらお茶をしている私がいた。
人生何があるか分からないから面白い。
残念ながらマフィアに会うことはありませんでしたが、景色・建築物の素晴らしさもさることながら、ほとんど言葉の通じない会話でありながらも、お茶を御馳走になり、夕食を御馳走になり、イタリア人の優しさにすっかり心奪われた今回の旅。
少しでも皆様のご旅行の参考になりますように。
このサイズのピザも6ユーロ!
まず訪れたのはカプリ島。
ナポリからフェリーで向かうのですが、事前にフェリーチケットはインターネットで購入済みだったので、簡単に乗ることができました。
カプリ島と言えば、青の洞窟。
青の洞窟と言えば、カプリ島。
沖縄にある青の洞窟にはよく遊びに行っていたので、ずっと本物はいかほどに美しいのかと興味があったのです。
それはそれは楽しみにしていた本家青の洞窟。
「今日はね、水位が高いからでないよ」
ええええ!カプリには一泊しかしないのに・・・ナンタルチヤ!サンタルチア!(最近の子には通じないギャグ)
急遽ガイドブックを取り出し、レストランのおじさんに聞いたお勧めハイキングコースへと出発した。
ハイキングコースは約2時間。ハイキングをする予定など毛頭なかった私は、重たいブーツで息を切らしながらコース途中にある心臓破りの階段を登ることになったが、このハイキングコースからの眺めも絶景!
そしてカプリの町並みはとても可愛らしくて、タイルやお花を使って上手に住んでいるお家を見ているだけで楽しくなってきます。
ワンちゃん用のバー
可愛い呼び鈴
港のある中心地、カプリ地区はやはり観光客が非常に多く、色んなお店から日本語や韓国語で話しかけてもらいました。
滞在ホテルは、中心地からバスで20分程度かかるアナカプリ地区だったのですが、こちらは団体客がいないので、のんびりとお散歩することもできます。バスでの移動は少し面倒ですが、バスも頻繁に出ているので、宿泊はアナカプリ地区が正解なのかなという感じがしました。
青の洞窟に入れなかったらどうしよう・・ホテルで寝るか、などと考えていたのですが、全く問題なくカプリ島を楽しむことができました。
もし青の洞窟に入れなかった時のために、しっかりした靴を一足持っていかれるのをお勧めします。
その後訪れたシチリア島では、専用車・バス・列車を駆使して素朴で美しい島を満喫しました。
カターニアのフィッシュマーケット
生きてるカタツムリちゃん
ラグーザ
モディカ名物のチョコレート
花のじゅうたん祭りが行われるノート
さて、そんなシチリアにある「パラッツォ・アドリアーノ」という街を、みなさんご存じでしょうか。
パレルモから車で約二時間もかかるその小さな街に行くには、専用車を利用しなくてはならず正直実際に行ってみるまで、ちょっとしんどいなどと考えていたのですが、車から降りた瞬間、映画のセットの中に迷い込んだような錯覚を覚えました。
それもそのはず、この街はある名作映画のロケ地として、公開から28年が経った今なお、世界中のファンが集まってくるのです。
映画好きでなくても一度は聞いたことがあるであろう「ニューシネマパラダイス」
イタリア国内だけではとどまらず、日本で上演された際にも大ヒットした、不朽の名作として知られるこの作品ですが、撮影時よりは多少建物はキレイになっているものの、ほぼ映画の中のままの姿を見ることができます。映画の中と同じく、素朴で優しそうな人たちが行きかう広場に立つと、今にも主人公トトが笑顔で走ってきそう。
町の中では、トトがエレナをくどいた教会や、トトの家を実際に見ることもできます。
残念ながら映画館は現在ありませんが、すぐ近くの建物で、主人公トト役をした俳優、カシオの親戚などが「ニューシネマパラダイス博物館」を運営しており、撮影当時の貴重な写真や小道具などを見ることができます。
映画のままの広場
ニューシネマパラダイス博物館
映画で使われた小道具
原田マハの本が飾ってありました
「今でもこの町の唯一の娯楽は映画ですよ」と言われたら信じてしまいそうなくらい、大きなスーパもなければゲームセンターももちろん無い町の中には、とても心地いい静けさが流れていました。
少し遠いですが、映画ファンであれば是非お勧めの観光地です。
パレルモはシチリア2番目の都市というだけあり、見所がたくさんあって、一日では回れないくらいでした。
建築や歴史が分かっていればもっと面白かったと思うのですが、無知な私がみても素晴らしいと感じるものがたくさん。
パラティーナ礼拝堂
サン・カタルド教会
原田マハの本が飾ってありました
マルトラーナ教会
マリオネットも有名(怖い・・)
そして、一風変わった観光地へも足を運んできました。
旧市街から少し離れた場所にあるそこは、入り口も小さくひっそりとしています。
そして、地下へと降りていくと、さっきまで外で大笑いしていた観光客たちも段々、神妙な顔つきになってくる。それもそのはず、そこに並んでいるのは8,000体ものミイラたちなのです。
カプチン派のカタコンベは、バスに乗って少しの距離にあります。
手を伸ばせば届きそうな距離にずらりと並ぶその姿は、最初はとても怖く難じるのですがそのうちにとても不思議な気持ちへと変わっていきます。
生きると云う事は死へと日々進んでいくことであって、生きている時間より死んでいる時間の方が圧倒的に長いという当たり前のことを気づかせてくれます。
そして二歳のままで時を止めてしまった少女のミイラは、1920年に亡くなったとは思えないほど、約100年の時を経た今でもなお、眠り続けているようにその姿をとどめていました。
写真撮影は禁止されていますが、日本ではなかなかできない体験でもありますので、お時間があれば足を運んでも面白いかもしれません。
今回の旅で、観光客が多い街や観光客相手の人には英語でも問題なく話すことができましたが、英語が通じない場面も多々ありました。
しかしそんな旅の中、たくさんの温かいイタリアの人達に助けていただき、無事に旅を終えることができました。
日本では考えられない事ですが、8時間もかかる列車移動で仲良くなった夫婦に夕食をご馳走になり、タクシーの運転手さんに朝ご飯をご馳走になるという、なんともありがたい経験もすることができました。どちらもほとんど英語は通じなかったのに、見ず知らずの私にこんなに良くしてくれる人たちの優しさにとても心が温かくなりました。
果たして逆の立場だったとして、そこまで旅行者に優しくなれるだろうか。自分自身を省みるいい機会にもなりました。
コーヒーとマフィンを御馳走してくれたタクシー運転手さんは、今までイタリアを出たことが無いそう。(と思う。片言なのでもしかしたら違うかも知れない)でも、日本は大好きだと言ってくれていた。(と思う)
日本は決して運転手さんが言うように良いところばかりの国ではないと思うのですが、今後彼が出会う日本人が、優しい彼の心を傷つけることの無いようにと心から祈るばかりです。
そして彼がしきりに言っていた「アーモンド!」「ナッツ!」という言葉が頭から離れない。
果たして、彼は私に何を伝えようとしていたのか。
彼の実家がアーモンド農園なのか、もしくはアーモンドは健康に良いよということなのか、アーモンドの花の季節はキレイだから見においでということなのか。
謎は謎のまま、彼は優しい笑顔で、旅立つ私を見送ってくれた。
世界に新たに一つ増えた謎は、いつかまた私をイタリアへ呼んでくれるかもしれない。
海外では特に、十分に安全に気をつけなくてはいけないが、こういった出会いも旅の醍醐味だと再認識。
旅とは観光地を見ることだけではないから面白い。
ローマやベネチアのTHE観光地を巡る旅行も、とても魅力的で楽しいと思いますが、素朴で優しい人たちが暮らすシチリアへのご旅行はいかがでしょうか。
アーモンドの謎を解きに、また戻ってこれますように
パラッツォ・アドリアーノ★★★★★
是非映画を見た後に!映画を見れば必ず行きたくなるはずです。
カプリ★★★★
海が好きな人なら大満足のリゾート
イタリアの人たち★★★★★
出会った人達みな良い人でした。出会いに感謝。
(2016年11月 大野史子)