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東京都
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03-3259-1511
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旅行業
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1.全コース1名より催行保証。ツアーキャンセルはありません。(ごく一部のコースを除く)
2.アレンジ自由自在。延泊や減泊、ホテルグレードUP、航空会社指定、何でもできます。
3.基本的に少人数でのツアーで団体旅行のわずらわしさはありません。(ごく一部のコースを除く)
3.遊牧民のゲルにホームステイやサハラ砂漠でキャンプなど、その国でしかできないユニークなオリジナルツアーを企画。
3.毎週土曜日、各方面の専任スタッフが説明会を実施。疑問、質問は何でもどうぞ。(予約制)

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<穏やかな仏教国ラオスの寺院巡りと一生に一度は訪れたい遺跡の宝庫カンボジア〜信仰とは〜>

2017/01/16 12:46
ラオス
エリア:
  • アジア > カンボジア > シェムリアップ
  • アジア > ラオス > ルアンプラバン
テーマ:
  • 観光地
  • / 世界遺産
  • / 歴史・文化・芸術
現在も篤く仏教を信仰しながら生きる世界遺産の街ラオス・ルアンプラバン
「国立博物館の通りの様子」


ヒンドゥー教の総本山を抱える遺跡の街カンボジア・シェムリアップ
「アンコール・トム第一回廊」


今回はそんな2か国2都市を訪問し、寺院と遺跡を巡るタイムトリップに行ってきました!

*旅程*
12/11 深夜ルアンプラバン着
12/12 メコン川クルーズとパクオー洞窟観光
12/13 市内観光
12/14 モン族の村とクァンシー滝観光後、シェムリアップへ
12/15 アンコール・ワット遺跡群観光
12/16 アンコール・ワット遺跡群観光
12/17 聖地プノンクーレンとベンメリア観光
12/18 トンレサップ湖クルーズとオールドマーケット散策後、帰路へ
12/19 日本着
〈ラオス〉
今回滞在した場所は、世界遺産都市ルアンプラバン。都市名は、大きな黄金の仏像という意味を持ちます。
ラオス北部の山岳地帯に位置し、メコン川とカーン川の合流地点にある古都です。
14世紀半ば、初の統一国家ランサン王国の都として栄えながら多くの寺院が建てられたのち、フランス植民地となり仏式コロニアル建築の美しい建物も残る歴史的な街並みに普遍的価値が認められ、1995年に市街地全体が世界文化遺産に登録されました。

*訪れた主な場所(ラオス)*

★ラオス焼酎醸造を営むサンハイ村
「米から出来るラオス焼酎ラオ・ラーオ」


「サンハイ村の寺院」


★パクオー洞窟
「パクオー洞窟は絶壁の中に」


★手すきの紙とシルク製作のサンコン村
「紙作りの様子」


「作られた紙に描かれたラオスらしい絵画」


「色とりどりのシルク製品」


★朝市
「新鮮な山積みの野菜」


「五平餅のような見た目のもち米を焼いたカオ・チー」


「カエルの丸焼きも売っています」


「水牛の皮と蚕。水牛の皮は焼くと香ばしく歯ごたえのある一品」


★ワット・マイ (ワット・マイ・スワンナプーム・アハーム)
「重なる瓦で出来た屋根が美しい」


「本堂の入り口で圧倒される黄金のレリーフ」


「内部には金の仏像。この仏像の後ろに・・・」


「もう一体小さな仏像が!兄弟とのこと」


★王宮博物館
「パバーン仏が安置されている煌びやかな祠」


「かつて王宮であった建物を利用し、博物館に。当時の部屋や調度品が展示された内部は撮影禁止」


★プーシーの丘
「頂上からは世界遺産の街ルアンプラバンが一望できる夕陽の鑑賞で人気の場所」


★ワット・シェントーン
「流れ落ちるような屋根の曲線が魅力的なルンプラバンで最も美しいとされる寺院」


★ワット・ビスンナラート(すいか寺)
「別名ワット・マークモー(すいか寺)の名の通り、すいかが乗っているような丸い仏塔」


「中には大きな金の仏像を囲むように細長い仏像が並ぶ」


★ワット・マノーロム
「20世紀に再建されたため新しく綺麗」


「内部の壁にはびっしりと仏教世界が描かれる。こちらは地獄絵図」


★ナイトマーケット
「惣菜が並ぶ屋台」


「僧侶の方もマーケットを散策している」


「道路にびっしり並べられた物品の数々。お土産選びにはもってこいの場所」


★早朝の托鉢
「仏教国ラオス全土で行われる托鉢。毎朝見ることができる」


★モン族の村
「広大な畑を耕し昔ながらのアニミズム信仰を絶やさず暮らすモン族の村」


「民家は茅葺や竹でできている。ここはキッチン」


「市街地とは異なり、のどかでどこか違う世界に入り込んだような趣ある場所」


★クァンシー滝
「滝までの道中にクマの保護センターがある。ハンモックからこちらを見るツキノワグマ」


「石灰岩によって生み出される美しい乳白がかったブルーの水は癒し」


「滝は80メートル。クァンシーは鹿という意で、かつて鹿が住んでいたそう」


*中でも印象深い場所*

◯パクオー洞窟
ルアンプラバン市街地からメコン河に浮かぶ船に約2時間揺られ、河から顔を出す巨大な崖の窪みにその洞窟はあります。
「メコン河を渡る船」


「趣ある船着き場」


「ぱっくりと絶壁にくり抜かれた洞窟」


絶壁をくり抜いて造られたタム・ティン・ルムとそこから階段を登り辿り着くタム・ティン・トゥンという2つの洞窟があります。
「タム・ティン・ルムに入ってすぐ目にする金の仏像たち」


タム・ティン・ルムの内部には、市民が持ち寄った大小様々な約4000体ものおびただしい数の仏像が所狭しと洞窟内を埋め尽くしています。
「仏像に埋め尽くされる洞窟内」


「背の高い仏像とせいくらべ」


洞窟内の小さな窪みの上や崖っぷちにまでちょこちょこと仏像が置かれています。
「崖の端にちょこんと鎮座する」


「あちこちに小さなものから大きなものまで」


「まるで仏像の箱庭」


タム・ティン・ルムの外へ出て階段を登っていくと、もう一つの洞窟タム・ティン・トゥンが現れます。大きな横穴になっており、入り口付近は鍾乳洞となっています。中は真っ暗なので懐中電灯を借りて入ります。
「タム・ティン・トゥンへの階段」


「木と岩に覆われた横穴が入口」


「入口付近の鍾乳洞」


暗闇の中、ライトを照らすとぼんやりと浮かび上がる仏像たち。こちらにも多くの仏像が安置されています。
「ぼんやり顔を見せる仏像」


闇の中に佇む仏像たちは不思議で神秘的な雰囲気を醸し出し、あちらこちらから視線を感じるような不気味さもありとても印象的な場所でした。
「段差の上にもさりげなく鎮座」


◯プーシーの丘
王宮博物館の向かいにある登り口から、300段以上の階段を登り頂上へ向かいます。
高さ約150mの小高いプーシーの丘からは、世界遺産ルアンプラバンの市街とメコン河の流れる街並みほぼ360度の展望を楽しむことが出来る場所です。
メコン河の向こうへ沈みゆく夕日鑑賞のベストスポットでもあり、夕刻は参拝客で賑わいをみせるようです。
「階段をどんどん登って」


頂上へ到着すると、タート・チョムシーという金色の仏塔がそびえ立ちます。そして辺りを見渡すとカーン河が流れる市街地やメコン河が一望でき、素朴なルアンプラバンの街並みを前に何だかホッとするような穏やかな気持ちになりました。
「山頂の木の間からのぞくメコン河」


「頂上に輝くタート・チョムシー」


「頂上から見えるカーン河とルアンプラバンの市街地」


かつてここで神に導かれた二人の仙人がルアンプラバンの街を創造したという伝説が残されており、仙人(ルーシー)の山(プー)という意でプーシーと呼ばれるようになりました。確かに仙人が住んでいてもおかしくないような、神秘的で空気の澄んだ場所です。
「山中の巨大な菩提樹」


◯ワット・シェントーン
ルアンプラバンで最も美しい寺と謳われるワット・シェントーンは1560年、セティラート王により建立されました。屋根が流れるように軒に向かい低くなる典型的なルアンプラバン様式の建物で、格式高く荘厳な場所となっています。
「雅やかな本堂は滑るような屋根が美しい」


王族の儀式等にも利用された場所で、ルアンプラバン最後の国王且つ初代ラオス国王シーサワンウォン王の葬儀で使われた霊柩車も納められています。
「霊柩車。中心に乗っているものは骨壺」


「飾っておくと病に効くという壁掛け」


流れるような躍動感のある屋根が美しく、また黒塗りされた外壁の金色の装飾や本堂内部に安置されている黄金の仏像達も非常に魅力的です。
「本堂内部も黒塗りに金の装飾」


「内部の仏像」


「外壁の黒塗りと金の装飾」


この寺院で必見のものは、本堂裏面の壁に大きく描かれたマイ・トーン(黄金の木)と呼ばれるモザイク画です。
きらきらと光を反射する色とりどりのモザイクが埋め込まれて描かれた巨木の周りに煌びやかな鳥があしらわれ、その鮮やかさに心を奪われます。
「カラフルな巨木マイ・トーン」


「色ガラスで出来たモザイク画は様々な場面が描かれる」


◯早朝の托鉢
托鉢は、ラオス全土で行われる僧侶が信者の家をまわり食物をもらいながら練り歩く伝統的な仏教の行事です。特にルアンプラバンは古都ということもあり規模が大きいのが特徴。

滞在していたホテルの前でも行われると伺い、早朝6時頃に起床し外に出ました。既に托鉢を待つ信者の方々が道端にシートを敷き、食物を用意して待っています。
「托鉢を待つ人々」


托鉢の際は僧侶に触れないこと、女性は座って待つ等のマナーがあります。
私も、捧げる赤米を用意し僧侶達を待ちます。
「竹筒入りの赤米カオ・ラーム」


空が少し明るくなってくると、道の向こう側が賑やかになってきました。近づいてみると、橙色に身を包んだ列になって歩く僧侶達が見えてきました。
「僧侶の方々がやってくる」


そばまで来ると持っている鉢を開けてくれるので、そこに食物を入れます。中には既に沢山のお米やお菓子、ラオスの通貨キープも入っていました。
「食物を貰い受ける托鉢僧」


彼らは私の前を過ぎ去っていくと、次に待つ人々のもとへと歩いて行きました。
托鉢僧に食物を献上する人々はみな穏やかな表情で、仏教国として僧侶が崇拝されている様を間近で見る事が出来る貴重な体験でした。
「去っていく僧侶達」


*ラオス式仏教は曜日が大切*

ラオスの人々は、自分の誕生日を日付ではなく曜日で覚えるそうです。タイなどでも同じようですが、それは彼らが信仰する仏教において曜日ごとに仏像が存在するからだそう。
「サンハイ村の曜日を表す仏像(左から日曜・月曜・火曜)」


「左から水曜・木曜・金曜」


「土曜日の仏像」


それぞれの意味は、

日曜日 挨拶をする
月曜日 喧嘩をしない
火曜日 涅槃 (眠る)
水曜日 托鉢をする
木曜日 勉強をする
金曜日 気持ちが良い
土曜日 瞑想状態(至高の状態)

とのこと。この流れで彼らは仏教の教えに沿って生きているのです。日本人にとって誕生日を曜日で覚えているのは不思議なことですが、そんな文化の違いにも触れられて良い体験になりました。

*ラオスの料理*
ラオス料理というと想像がすぐにできませんが、比較的日本人の口に合うものが多かった印象です。辛いものや香草好きの方にはもってこいの料理です。
とくにラープと呼ばれる、ひき肉に香草やレモンで味をつけてご飯と一緒に食べる伝統料理は美味しく頂きました。そして何よりもち米(とくに赤米)がもちもちでお気に入りでした。また、ご飯が専用のおひつ「ティップ・カオ」に入って提供されることに異国情緒を感じなお美味しく頂けました。
「日本人経営のお店ソン・パオのワンプレートと赤米が最高に美味」


「ラオス風担担麺カオ・ソーイ。ほどよい辛さでうま味がぎゅっと詰まっています」


「香草の風味が効いたラープ」


「珍しい川海苔。パリっとして素朴な味」


「まるごとミニ焼きバナナ。中がもっちりとしてやみつきに」


「見た目は五平餅にそっくり!香ばしいカオ・チーは何個でもいけます」


「フーと呼ばれるお米の麺。スープの味は卓上の調味料で好みにカスタマイズ♪」


「ココナッツと砂糖を固めたデザート。思ったより甘くなくて美味しく頂けるプチデザートに」


〈カンボジア〉
滞在先は、ヒンドゥー教の神々を祀った王宮都市遺跡アンコール・ワットが門を構える街シェムリアップ。
12世紀頃からクメール人の王国がこの地で権威をふるった際に時の王が次々と建立した遺跡群が林立します。19世紀にフランス人により遺跡が発見されるまでは密林に埋もれ、近くに住む人々にしかその存在は認知されていませんでした。壮大な王朝都市とヒンドゥー教寺院の総本山であるこれら遺跡群を見ようと世界各地からの観光客が絶えない場所です。

*訪れた主な場所(カンボジア)*

★アンコール・トム
「大きな顔がお出迎え。バイヨン寺院」


★タ・プローム
「どこもかしこもスポアン(ガジュマルの仲間)の根に覆われた遺跡」


「木と石が一体化している」


★アンコール・ワット
「夜明けのアンコール・ワット」


★プノン・バケン
「夕陽の名所として知られる遺跡」


「森の向こうに続く道が気になる・・・」


★アプサラダンスショー
「伝統的な衣装を身に纏い息の合ったダンスは必見!」


「少年少女の軽快なダンス」


★プリア・カン
「他のアンコール遺跡には見られない珍しい神殿風の建物が特徴的」


★タ・ソム
「リエップという木に覆われた東門が注目の的」


★東メボン
「5つの塔が建つ。つくりはプノン・バケンに似ている」


「くっきりと残るレリーフ」


★バンテアイ・スレイ
「歴史を感じる赤茶の塔が立ち並ぶ」


「左側の壁に刻まれた女性が東洋のモナリザとして有名」


「女性たちが施したとされるレリーフは時間が経っても深く刻まれたまま」


★プノンクーレン
「神聖な空気漂うライチ山」


★ベンメリア
「ラピュタの世界・・・?瓦礫に埋もれた遺跡の正体は」


★パブストリート
「観光客で賑わう夜の街」


「ネオンに輝く通りの店はお洒落でワイワイ賑やか!」


★トンレサップ湖
「鮮やかな青の船に乗り込み湖クルーズへ」


「青く広い空に国旗がゆらめく」


「まるで海のよう。ここはトンレサップ湖!」


★オールドマーケット
「お土産選びに最適!」


「新鮮な野菜が並ぶ内部」


「肉の他にもトンレサップ湖でとれた魚が並ぶ」


*中でも印象深い場所*

◯アンコール・ワット
東南アジアの大帝国クメール王国が残したヒンドゥー教寺院の総本山アンコール・ワット。カンボジアと言えばアンコール・ワットと口を揃えて提唱されるほどには国の象徴的なものとなっていることでしょう。
この建物は12世紀初頭の王スールヤヴァルマン2世が自身の王権誇示の目的とともに、ヒンドゥー教の3大神の1人ヴィシュヌ神へ捧げた壮大な宗教建築です。寺院中心部で王は神々と交信をし、死後はここに埋葬されることで王と神が一体となるデーヴァ・ラジャ思想のもと王権の神格化に励みました。
「艶のある回廊のレリーフ。並ぶ兵士たち」


「上が天国、中が現世、下は地獄。」


なんといっても回廊の壁に施された細やかで規模の大きなレリーフが見どころで、インド叙事詩『ラーマーヤナ』や神話の一節、天国と地獄の様子を描いたもの、現実世界の王や人々の生活が一面に広がります。
「特徴的な連子窓」


すっかり有名な観光地となったアンコール・ワットですが、その姿はやはり何か神々しいものがあり人々を惹きつけてやまない、これから先もそこに在り続ける神の寺院なのだろうと感じます。
「青く浮かび上がるアンコール・ワット」


◯アンコール・トム
アンコール・トムは現在も人気の高いクメールの覇者ジャヤヴァルマン7世が創建した王都です。
こちらの王都中心に位置するバイヨン寺院は必見です。穏やかに微笑む巨大な四面仏のモチーフが南大門をはじめ所々に現れ、まるでどこからでも見守られているかのよう。
「大きな顔が乗った南大門」


「顔・顔・顔」


創建者ジャヤヴァルマン7世が大乗仏教に深く帰依しており、アンコール・トムはヒンドゥー教だけでなく仏教信仰の側面も持ち、神と仏が共存します。しかし後の王ジャヤヴァルマン8世はヒンドゥー教を愛し仏教を嫌ったため、7世が建てたヒンドゥー教と仏教の入り混じった宗教建築の仏教信仰部分である仏像のレリーフ等は、ほぼ全て削り取られてしまっています。
「削り取られた仏教信仰の痕跡」


「ヒンドゥー教の神はもちろん残されたまま」


レリーフは、庶民の日常生活や当時対立していたチャンパ軍との戦いの様子(実際の歴史)が描かれており、アンコール・ワットよりも現実世界に寄り添った生き生きとした姿が魅力的です。
「右下は出産の様子」


「チャンパ軍との戦い」


「誰かに似ているような・・・」


「象のテラスには花が咲く」


◯プリア・カン
かつてこの寺院の境内で剣が発見されたことから、“聖なる剣”を意味する名がつけられた遺跡。アンコール・トムやタ・プロームを建てた王ジャヤヴァルマン7世が建立しました。
「入口」


「後の王により削り取られた仏像の痕跡」


ここは仏教とヒンドゥー教が入り混じった寺院であるとともにジャヤヴァルマン7世の父の墓でもあり、驚いたことにその墓の塔部分はインドネシアにある仏教の総本山ボロブドゥール寺院の仏塔にそっくりです。
「まるでボロブドゥール寺院の仏塔」


ジャヤヴァルマン7世は仏教に入信していましたが、どうやら自らボロブドゥールへ出向いたことがあるそうで、父の墓を建立する際にこの仏教建築を参考にしたというのです。仏教への信心深さと父親への思い入れが伺えるこの遺跡は、ジャヤヴァルマン7世にとって強い想いが詰まった大切な場所であったことでしょう。
「覆いかぶさる木」


「深く彫られたレリーフは今もくっきりと」


◯プノンクーレン
「ライチ山」の意を持つプノンクーレンは、アンコール王朝の独立宣言と当時の王の即位儀式を行ったとされるアンコール発祥の聖地として人々に崇められています。
「厄除けの動物の頭や薬が売られる路上の雰囲気は少し不気味さも・・・」


「ここで祈りを捧げる」


山中には寺院があり、プレア・アントンと呼ばれる巨大な金の涅槃仏が収められています。涅槃仏の周りには信者が持ち寄った小さな仏像や奉納物などが並べられています。
「プレア・アントン」


「巨体の周りには小さな仏像がずらり」


寺院の麓ではシヴァ神のリンガから聖水を貰うことが出来ます。口に含み、頭にかけると恩恵を受けられるそう。
「シヴァ神を象るものとして寺院にこの形で祀られることが多い、リンガ」


「聖水をいただきました!」


その近くにはクバルスピアンという水中遺跡があり、川底に千本ものリンガが収められ、シヴァ神やヴィシュヌ神も彫られています。ヒンドゥー教の神なので見学している観光客はインドの方が多くみられました。
「ここには千本ものリンガが眠る」


「周りは密林の山」


リンガを通した水は聖水となるという考えのもと、この川の下流には、聖なる滝が現れます。
滝の近くには屋台やレストランもあるため、一息ついて巨大な滝を見に行けます。
「樹木に覆われた天空から降り注ぐ聖なる滝」


「ここでは水着があれば泳げます。頭から聖水を浴びてみるのも一興」


◯ベンメリア
アンコール・ワットの建立前に、同じ王が試作で石切場に近い場所に建てたとされる密林にひっそりと佇む遺跡。

「樹木と瓦礫に覆われた密林の遺跡は静かにそこにある」


ポルポト政権時代に400以上もの大量の地雷が埋められていた地域ですが、他国の協力により撤去され現在は安全に観光できます。
近年、崩壊が進み樹木に覆われ、苔むした瓦礫が散らばる神秘的な景観がジブリ映画“天空の城ラピュタ”の世界観にそっくりだと話題になり、知っている方も多いのではと思います。
「まさに朽ち果てた城」


やはりアンコール・ワットの試作とのことで崩壊により回廊の原型はとどめていませんが、窓のつくりがそっくりです。岩に空いた穴は、石切場から引っ張って運ぶためのものだそう。
「連子窓がそっくり」


「僅かながらレリーフも残る」


「建物の崩壊に反しくっきりと残るナーガの像」


「瓦礫に埋もれてみるとこんな感じです。巨神兵の気持ちをくみ取れます」


今にも巨神兵が朽ちた木や苔の生え蒸した石の間から顔を出しそうな妙な雰囲気が漂う魅力ある場所です。中心部からは少し離れますが、途中の田園風景など貴重な景色も楽しめるおすすめスポットでした。

*ヒンドゥー教の神*
アンコール・ワット遺跡群はヒンドゥー教の総本山。ヒンドゥー教には数多くの神々が存在します。
中でも3大神と呼ばれるブラフマン神、ヴィシュヌ神、シヴァ神が中心となっています。アンコール・ワットをはじめとする寺院は3つの山の形がモチーフとなっていることが多いです。これらの山はそれぞれ3大神を投影しているとされます。
シヴァ神やヴィシュヌ神はレリーフにも多く登場します。ヴィシュヌ神は化身後の姿で表されることも多いです。ブラフマンの姿は限られた場所でしか見られません。

ブラフマン神…世界の創造・再生
ヴィシュヌ神…世界の維持
シヴァ神…恩恵及び寿命が来た世界の破壊

宗派によって解釈は異なりますが、基本的にそれぞれ上記の役割を持っています。この世界は全て彼らによってコントロールされているということです。この他にも彼らの奥様方に加え鳥神ガルーダ、蛇ナーガ、象の顔を持つガネーシャ等多数の神々が存在するヒンドゥー教の神話は現実で考えると無茶な話も多いですが聞いてみると奥深く面白いです。
「踊るシヴァ神(バンテアイ・スレイ)」


「高さ約4メートルあるヴィシュヌ神の像(アンコール・ワット)」


「ヴィシュヌ神の妻ラクシュミーが象の聖水で清められている。下部にはガルーダとナーガも(バンテアイ・スレイ)」


*カンボジアの料理*
基本は、主食のお米と湖でとれる淡水魚等に味付けは砂糖ヤシからとれる天然の砂糖と、魚醤(トゥック・レイ)を混ぜた甘酸っぱいものが主流。東南アジアで定番の香草類でアクセントをつけて、調味料等で味を整えます。春巻きやカレーも主流。
特に好きだったものはピーナッツ入りの野菜炒め。新鮮な野菜をたっぷりと使いオイスターソース等で深みのある味を付けた炒めものにナッツを混ぜた料理も多く、日本人の口にもよく合います。
「揚げ春巻きとCAMBODIAビール」


「ご飯がすすむ炒めもの」


「ピーナッツの塩気と野菜のうまみがマッチ」


「屋台では蜂の巣も売られている。中身を食べるそうです」


「たまに辛い唐辛子を食べてしまうと暫くヒリヒリします・・・」


「胃に自信のある方は、新鮮なフルーツもぜひ」


「トンレサップ湖の淡水魚もあっさりして食べやすい」


「屋台で買った揚げバナナがカリカリのもちもちで大変美味でした!」


*2か国2都市の旅を終えてまとめ*
今回の旅は異国の宗教と寺院建築を存分に味わえた貴重な旅でした。
自分自身は無宗教ですが、それぞれの寺院に刻まれた当時の人々の思いや彼らが信仰してきたものが、何十年、何百年もの年月が経ってもなお現在に生きるその地の人々に受け継がれているという現実を目の当たりにし、宗教と人間の信仰深さが重なり合うことで生まれる力を改めて感じました。
現在この宗教関連で国内外様々な問題が起きていますが、互いを受容しあい認め合える世の中になる日を願いながら次も異国の地に足を延ばそうと思います。

*利用ホテル*
ルアンプラバン・・・マノラックホテル
<ホテル目の前で托鉢を見ることができます。通り沿いにはお洒落なレストランも>
「マノラックホテル(外観)」


シェムリアップ・・・アンコール・ホリデイ
<パブストリートにも徒歩圏内!大型モールも近くにある立地の良さが魅力的です>
「アンコール・ホリデイ(ロビー)」


*利用航空会社*
ベトナム航空

*★*
ルアンプラバン★★★★★
シェムリアップ★★★★★

どちらも行く価値しかありません。暑さと日焼け対策だけは万全に、遺跡や歴史好きな方にとっては天国のような場所です!ぜひ出かけてみてください☆

(2016年12月 山口優)
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