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- 新学期に良い成績を取るには
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エリア:
- 北米>カナダ>バンクーバー
- テーマ:留学・長期滞在
- 投稿日:2010/03/23 22:29
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☆キャンパスのカフェテリア
1月の第2月曜から春学期がスタートし、キャンパスに学生たちが戻ってきた。この時期の最重要課題は、教科書の調達である。新品だと1万円以上するのもザラなため、学生は出来るだけ古本の教科書を買う。大学の本屋には開店前から、数に限りがある古本を求めてトグロのような列ができるので、何としても早起きせねばならない。本屋で売り切れなら、ネット書店や売り買いの掲示板で探す手もある。私も方々を当たったのだが、今回は全く古本にありつけず、手痛い出費をしてしまった。
そしてこの時期、大学側が決まって開くのは、良い成績を取るためのワークショップだ。成績評価はA,B,C,D,Fに分かれ、Aが最優秀、Fが落第なのだが、ワークショップはその名も「いかにしてAを取るか」。そりゃAばかりもらえるに越したことはないと、私も参加してみた。
ワークショップは2つのテーマで構成され、1つ目は時間管理について。1日24時間のうち、テレビや友人とのおしゃべり、食事など、勉強以外に使っている時間を学生に計算させ、自分がどんなにダラダラと過ごしているかを気づかせる。さらにその結果をもとに、勉強時間をたっぷり入れた理想的な1日のスケジュールを作成させるのだ。なんだか小学生時代の夏休みの計画表作りを思い起こさせる。
もう1つのテーマは、授業への取り組み方だ。まずは教科書をいかに効果的に読むかという点。読む前に自分でその内容に関する質問を設定し、答えを探しながら読め、という。また、授業の聞き方として、聞きながら頭の中でポイントを整理していくよう指導される。これらは授業以外の分野でも通用しそうなテクニックだ。
みっちり3時間にわたり行われたワークショップは満員。どの学生も真剣な表情で聞き入っていた。それにしても私の学生時代には、こんな手取り足取りのサポートシステムがあった覚えはない。そもそも一旦入学してしまえば後は授業中寝ようとサボろうと、試験直前にマジメな友人のノートを借りてちょっと勉強するだけで、そこそこの成績は取れた。これに対しカナダの大学はしっかり勉強していないと、良い成績どころか授業について行くことすら危ういので、大学側もこのようなサポートを提供するのだろう。もっとも日本の学生は、机にかじりつく素振りを見せないのをカッコいいと思う傾向があるので、こういうワークショップが開かれても殆ど参加しないかもしれない。カナダの学生には、そんな体裁を気にする余裕はないようだ。
ワークショップといえば、なんと学生の自殺予防を目的にしたものもある。ココだけの話だが、SFUはカナダの大学の中で自殺率が2番目に高いともっぱらの噂だ。厳しい勉強へのプレッシャーに加え、どんよりした灰色の建物と雨が多い天気が、鬱屈した気分を増幅させるのではないか。私が学長ならワークショップを開くより先に、建物の壁をオレンジやピンクに塗り替えるのだが。
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オーロラ鑑賞地で犬ぞり!
新年の開運を目指し、オーロラを見に行くことにした。カナダ名物のオーロラはその姿の神々しさと、毎日確実に見られるわけではない自然現象という要素から、新年の運の強さを測るにはピッタリというものである。
カナダのオーロラ鑑賞地というとノースウエスト準州のイエローナイフが有名だが、バンクーバーからは随分遠い。そこで、同じくオーロラベルトの下に位置するアルバータ州のフォートマクマレーを運だめし先に選んだ。飛行機で片道4時間弱の距離である。日本からやって来た友達と一緒に、現地で3泊4日のオーロラ鑑賞ツアーへ参加することにした。
フォートマクマレーの気温はマイナス20度まで下がる。ただでさえ寒さに弱い私は、防寒ファッションに気合いが入るところだ。重ね着で空気の層を作るのが良いと聞いたので、上半身は薄手のシャツ、タートルネックのセーターにトレーナー、マフラー、その上にダウンコートを羽織る。下半身はタイツ、スパッツ、トレーニングパンツ、そしてウールのズボン、靴下は2枚履きだ。頭にはニット帽。さらには露出した顔を守るため、腹巻きをフェイスマスクに代用するという高度なワザを使う。
ツアー初日、オーロラ鑑賞は午後9時から始まった。町外れにある湖の上(もちろん凍っている)が鑑賞地で、ほとりの小屋でオーロラが出るのをひたすら待つ。ヒマなのでバナナで釘を打ってみたり、シャボン玉を作ってみたり。シャボン玉が一瞬にして凍り、ガラスの芸術品に姿を変える様子はなかなかの見ものだ。だが、肝心のオーロラは一向に登場する気配がない。「ひょっとして今年の我が運気はイマイチなのでは」と心配になってくる。午前1時半を過ぎ、ついに諦めてホテルへ戻った。直後、部屋の電話が鳴った。耳元でガイドさんが叫ぶ。「オーロラが見えそうです!」。急いで外に出てみると、空に白っぽい光の筋が浮かんでいるではないか。光は次第に横へと線状に広がり、突然、燃えさかる炎のように激しく揺らめきだした。色も白から緑、ピンクへと矢継ぎ早に変化していく。天上で繰り広げられる光のショーはおよそこの世のものとは思えず、まるで夢を見ているようで、拝むのも忘れ目が釘付けになってしまった。
結局滞在期間中は、程度の差こそあれ3晩ともオーロラを見ることができた。聞けば私たちが参加する前日までは、全く見えない日が続いたという。なんてラッキーなのだろうか。今年はおめでたい年になるに違いない。ちなみに、カナダへオーロラ鑑賞に来るのは8割が日本人だそうだ。我々は神秘的なものが好きな民族らしい。あなたもカナダに来るなら、この荘厳な自然現象で運気を占ってみてはいかがだろうか。
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バンクーバーの大学はアジア人だらけ
突然、ハワイで働こうと思い立った。来学期は1月〜3月で、カナダが最も寒い時期にあたる。温暖とされるバンクーバーですら、11月には雪が降り出す始末だ。スキーやスノーボードという単語を聞くだけで身震いする私が、常夏ハワイへ脱出したくなるのも無理はないではないか。
私の大学には「Co-operative Education(Co-op)」という、一定の期間休学して企業で研修するプログラムがある。しかも有給。単位には換算されないが、研修先の企業にそのまま就職するケースも多く、学生には人気の制度だ。
プログラム参加希望者は、企業に応募するノウハウを学ぶために、大学開催のワークショップを受ける。私も出席してみた。まずは履歴書の書き方である。自分のスキルをとにかく大げさに、自信満々にアピールするのがコツだそうだ。「Excellent」の連発は当たり前。なかでも重要なのは職歴(アルバイト)である。学生には酷な話だが、北米では、企業が学生に関連分野の職歴を求めるのは常識だ。しかし人気職種の場合、アルバイトは狭き門なので、学生たちはボランティアに走る。カナダには、こうした学生の受け皿となるボランティアの仕事がごまんとあるのだ。だがその経験を履歴書に載せる際は、「“ボランティア”だったことは伏せましょう。仕事は仕事です」と大学のマニュアルは指示している。どこまでも強気である。
次は、日本にはないカバーレター。紙1枚に手紙のようなスタイルで志望動機を書く。ここで大事なのは、「なぜこの会社で働きたいか」よりも「この会社に自分はどう貢献できるか」を強調することである。「こんなスゴい能力を持つ私が働いてあげてもいいって言ってんだから、採用しないと大損よ」という位の傲慢な調子が望ましいようだ。謙遜などという概念は存在しないと見た。
最後は面接について。企業側からの質問は自己PRや志望動機など、日本と変わらない。ただ面接官と最初に握手をするため、相手の目を見ながらしっかり握らないと、自信がないと判断されるらしい。また、面接時間は1時間以上もザラで、人柄をじっくり見られる。日本の1人10分トコロテン方式とは大違いだが、そのぶん書類選考でかなり絞られるという。
さて、肝心のハワイ求職活動の結果だが、私は就職活動も仕事も日本で経験があるため、英語が母国語でないことを除けば、他の学生に比べ有利だったといえる。履歴書を送った企業からは次々とコンタクトをもらった。だが、ハワイという島は各企業の規模が小さく、1学期間という超短期で、しかも有給でとなるとなかなか条件が折り合わない。さらに、月10万円以下のアパートが見つからない住宅事情、ビザを取る手続きの煩雑さなど、思った以上に多くの壁に直面してしまった。そんなわけで、来学期もバンクーバーで冬将軍と闘う羽目になるだろう。しかし、ハワイへは近いうちにきっと乗り込むつもりである。
おっと、下記の『週刊メディリテ!』、第一回は「児童ポルノの闇に堕ちて」だ。良かったらご購読を。
- ゴシップ記事の読み方
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エリア:
- 北米>カナダ>バンクーバー
- テーマ:留学・長期滞在
- 投稿日:2010/03/09 19:18
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☆15年間愛用する英英辞書
「スチュワーデス」という呼び方が「客室乗務員」に変わって久しい。性別で分ける呼称を止めた1980年代は、折しも外で働く女性が物珍しい目で見られなくなった時期だ。言葉は社会の価値観を反映する。私が取っている授業「Communication and Everyday Life」ではメディア・リテラシーの一環として、このような日常に使われる言葉と、社会や政治との関連性を研究している。
私が着目するのは、週刊誌やワイドショーの芸能ニュース「ゴシップ」の言葉だ。芸能人がある商品を褒めれば翌日には売り切れになるぐらい、彼女ら・彼らの影響力は大きい。それだけにゴシップは、社会の価値観を形成する“権力”のひとつと考えられる。なかでも気になるのは、家庭を持つ女優と男優に対する日本のゴシップの扱いだ。配偶者や子どもがいるという条件は同じながら、性別によってゴシップが騒ぎ立てるポイントは随分違うのだ。
例えば、某大女優の息子が覚せい剤取締法違反で逮捕された時のこと。それまでこの女優を「良妻賢母」のイメージで持てはやしていたゴシップマスコミは、一斉に手の平を返した。「子どもの躾も出来ないダメ母」「親失格」の大合唱である。同じようにテレビで会見した夫には父親の責任を殆ど問わず、マスコミは非難をほぼ全て、女優の側に集中させた。まるで子育ては母親1人でするもので、全責任は母親にあると決め込んだような論調だった。また、宝塚出身で年齢不詳の女優が結婚にあたり「家庭よりも仕事第一です」と発言した際も、これまたゴシップから「冷たい」とバッシングの嵐だった。
男優が子育てにつまずいたり家庭より仕事を優先したりしても、「親失格」や「冷たい」といった否定的な言葉をゴシップが使うことは滅多にない。女性だけを何としても家庭に押し込もうとするゴシップの圧力は、社会進出と共にビジネス力、経済力を付けてきた女性へのバックラッシュ(反動)と考えられる。専門家によると、外でバリバリ働くような“攻撃的な”女性の存在は男性優位の社会を脅かすため、作り手が男性中心であるマスコミは拒否反応を示すのだそうだ。一方男優の場合、結婚の際には年収や仕事の実績がゴシップに細かくチェックされる。「経済力がなければ男じゃない」とのプレッシャーがかけられるのも窮屈なものだろう。これも、大黒柱のイメージを植え付けることで男性の支配力を維持するためだという。
ゴシップや広告によるジェンダー(性役割)の扱い方はその社会の成熟度を映し出す。ちなみに北米のゴシップは家事や育児にいそしむ男優の姿を肯定的に報道しているが、それでもこのような研究が行われるのは、目指す成熟レベルには依然として達していないということなのだろう。日本のゴシップはレベルの設定すらまだなのかもしれない。ところで下記の『週刊メディリテ!』、第一回は「児童ポルノの闇に堕ちて」である。良かったらご購読を。
- カナダで寮に住むということ-タウンハウス編
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エリア:
- 北米>カナダ>バンクーバー
- テーマ:留学・長期滞在
- 投稿日:2010/03/02 19:02
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☆バンクーバーの桜
正規留学生となってから、若者向けの寮に入った。その後、新学期が始まる前の8月に別の寮へ引越しをした。旧寮でのワイルドな暮らしは結構気に入っていたのだが、秋学期は新入生がたくさん入寮してくるため、21歳以上の生徒は“高齢者”向けの寮へと追い出されたのだ。年齢で区切るなんて失礼しちゃうわね、と思いつつ、かといってハタチですと主張するのもさすがに気が引けるので渋々従う。カナダに来てまだ8ヵ月だというのに、ホームステイ、旧寮、新寮とすでに3度目の引越し。根無し草のような生活である。
留学生にとって引越しはかなり面倒くさい。車がないからだ。車を持っている人とは事前にお友達になっておくべし。今回の引越しは夏休み期間中だったので、車所有者はみな旅行などに出払い、自力でやるハメになった。歩ける距離なのが幸いだったが、カートと巨大バックパック(放浪用)に荷物を詰め込み、炎天下10往復以上はしただろうか。玉の肌がすっかり半そで焼けだ。
新しい寮はタウンハウスと呼ばれ、一戸建てを4人でシェアするタイプだ。ルームメイトの性別も選ぶことができる。旧寮の男女混合も楽しかったが、今回は1つ屋根の下に住むわけだし、と大和撫子としては女子オンリーを選んだ。シャワー・トイレはたった2人、キッチンは4人での共用で、旧寮の雑居状態とは雲泥の差である。部屋の広さも倍近い。その分、家賃は約6万円と、1万5千円も跳ね上がったのだが。
肝心のルームメイトは、モントリオール出身のカナダ人ラシェル、香港から移民したジョーイ、そしてドイツ出身の大学研究所助手、クラウディアだ。このように小さな所帯だと、一緒に住む人によって快適さが大きく左右されるが、ラッキーなことに3人とも明るくて気さくだ。引っ越した直後に、掃除やゴミ出しの分担についてミーティングを行った。教育学専攻で教師を目指すラシェルがまとめ役を買い、テキパキと議論を進める。私自身は集団のリーダーなんてまっぴら、人の背中にくっついて歩く方が楽と考えるタイプなので、こういう性格の人は重宝する。
4人とも出身が異なるためか、目下流行っているのは世界の料理食べ歩きだ。グルメ派のジョーイが音頭を取り、本格的な飲茶やベトナム、ギリシャ料理のレストランに連れて行ってくれる。日本人代表の私も出番だ。私が手巻き寿司も作れないことを知った母が、日本からレシピや海苔、すし酢を送ってくれたのだ。早速、カニ缶やキュウリを買い込んで手巻き寿司パーティーを開く。手巻き初体験のクラウディアがカンペキな菱型を作ってみせるので、どう巻いても棒状になるこちらは形無しだったが、パーティーは大好評だった。
ルームメイトに恵まれ、新しい寮も居心地がいい。だが山頂での生活も半年を過ぎ、そろそろ“下界”に降りたい思いも芽生えてきた。4回目の引越しをする日も、そう遠くはない気がする。
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