ニース中心地、マセナ広場の裏話

ニースっ子の待ち合わせ場所として人気のマセナ広場。

中心地に位置し、旧市街と新市街そしてニースのシンボルでもあるプロムナード・デ・ザングレを結ぶこの広場は、観光客にも地元民にも愛されるスポット。

そんなマセナ広場に実は面白い裏話があるのをご存知でしたか？



マセナ広場の中心に設置されたこの噴水は『太陽の泉』という名前が付いています。真ん中に立っている像は７mもあるギリシャ神話に出てくる 太陽神アポロン、その太陽の周りを囲むのがガイア、マーキュリー、ビーナス、マーズ、サターンの5人の神のブロンズ像です。



アルフレッド・ジャニオというフランス人の彫刻家の作品で、他にもニースの港に面した城跡公園の裏側に戦争記念碑があるのですが、それも彼が手がけています。実はこのアポロンの彫刻、今から50年以上前に作られた当初はなかなか市民に受け入れられなかったと言います。なぜでしょうか？

理由は何と…





このアポロンさんの大事な部分が大きすぎることでした！！笑

ギリシャ彫刻というと裸もしくは布で体を半分覆っただけというものが一般的です。それらの彫刻の常識として知的で理性のある男性像は性器の小さいことが美徳とされていたので、それを大きく表現することは愚かで醜悪と見なされていました。50年代のフランスも例外ではなく、当時のニースの女性市民たちが市長に抗議しました。

彫刻家は金槌などで叩いてそれを小さくしようと試みたのですが、大理石の彫刻はなかなかわれずそのままニースの市外へ長い間追いやられていました…

アポロンさんが帰って来たのは2011年でほんの10年前のことです。時代が変われば価値観も変わる。アポロンさんは少し先の時代を生きていたのかもしれません。



とんだ辱めにあったアポロンさん。
今日彼はマスクを付けて私たちを見守ってくれています。

周りを取り囲む建物にはプロジェクションマッピングで『ありがとう』の文字。これはコロナ下でも一生懸命働いてくれている医療従事者、そしてそれを支える市民へのニースからのメッセージ。

早くコロナが終息することを祈っています。

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