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エリア:
- ヨーロッパ > イタリア > フィレンツェ
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テーマ:
- 観光地
- / 街中・建物・景色
- / 歴史・文化・芸術
こんにちは。フィレンツェガイドの福島です。
今回は、ヴェッキオ宮殿の正面入り口右側、ニンナ通り(Via della Ninna)の 近くの壁の目立たない場所に彫り込まれた男の横顔についてお話したいと思います。
伝説では、これはミケランジェロが彫ったと言われています。
幾つか説はありますが、今回は2つ有名な説をご紹介します。
まず一つ目の説は、ミケランジェロは自分の仕事場に行くために、このニンナ通りをよく通っていたそうです。
そこにはいつもミケランジェロを質問攻めにしたり、つまらないリクエストで邪魔をしたり、お金を要求したりする彼を悩ませる男がいたそうで、いつもよけて通らなければなりませんでした。
ある日ミケランジェロはこのいつも邪魔をしてくる男の横顔を、ヴェッキオ宮殿の壁に彫り込んでやろうと思い彫刻刀を持参することにします。
ここでミケランジェロは才能を見せます。
彼の存在に嫌気がさしたミケランジェロは、彼の話を聞いているふりをしながら、背中に腕を回し後ろ向きでこの横顔を彫ったのです。
男はそれに気づいて「おお、私の鼻はこんなに大きくない」と文句をつけたそうですが、それに対してミケランジェロは「私の指には目はないんですよ」と言い返したそうです。
その日を境に、この男はミケランジェロを邪魔しなくなったと言われいます。
もう一つの説は「罪人の顔」と言われています。
ミケランジェロは借金で首が回らなくなった罪人が、偶然シニョリーア広場を通っているのを見かけます。
この罪人には、ミケランジェロ自信もお金を貸していたと思われます。
この罪人は木のけたに結び付けられており、広場のポルティコの下で(Loggia dei Lanzi)で処刑されるところでした。
処刑の方法は、2つの木のけたに手と頭を結び付け、首にはその罪を書いた札をぶら下げられた罪人が、市民にののしられたり体罰を与えられたりするものでした。
ミケランジェロは見張りの役の男に「どのくらいこの男は木に縛りつけられているのか?」と聞き、答えを聞くと「それは短すぎる」と言ったそうで、フィレンツェの人がずっと彼のことを忘れないよう不滅にする為にこの横顔を彫り込んだとも言われています。
どちらにしろちょっとユーモアがありますね。ヴェッキオ宮殿に行ったら是非この顔を探してみて下さい。