海と山に囲まれた熊野は世界遺産に登録されたスポットや名勝が多く存在しています。
パワースポットや秘境など、思わずシャッターを押したくなる美景は日頃の疲れをゆっくりと癒してくれます。
伊勢志摩だけじゃない「三重県」の魅力! 熊野市とは?
熊野市は三重県南部に位置し、海と山に囲まれ、大自然が楽しめます。
世界遺産に登録された「熊野古道」をはじめ、日本の棚田百選に選ばれた「丸山千枚田」など長い歴史を感じさせる景色があるのも特徴です。
普段の生活では見ることのできない景色を探しに、熊野市へ出かけてみませんか。
また、熊野市は「日本書紀」をはじめ、古くから語り継がれてきた物語の舞台地としても知られています。
パワースポットを巡りたい!という方は「伊勢神宮」の前後に1泊して、神話が伝わる熊野でさらにパワーチャージするのもおすすめです。神話のなかでも有名な、国生みの神様であるイザナミノミコトの墓所と言われている「花の窟」は、縁結び・安産のパワースポットとしても人気があります。
■車を利用する方
●東京方面から
・東名高速道路→豊田Jct→伊勢湾岸自動車道→四日市Jct→東名阪自動車道→伊勢自動車道→勢和多気Jct→紀勢自動車道→尾鷲北IC→国道42号線→尾鷲南IC→熊野尾鷲道路→熊野大泊IC
紀勢自動車道・熊野尾鷲道路が開通し、名古屋や大阪からは、日帰りでも気軽に楽しむことができるようになりました!
※紀勢自動車道のうち紀伊長島IC~尾鷲北IC間および熊野尾鷲道路全区間が無料
●名古屋方面から
・名古屋西IC→東名阪自動車道→伊勢自動車道→勢和多気Jct→紀勢自動車道→尾鷲北IC→国道42号線→尾鷲南IC→熊野尾鷲道路→熊野大泊IC
●大阪方面から
・阪和自動車道→南紀田辺IC→国道311号線→熊野本宮方面へ→国道168号線→新宮→国道42号線→東紀州
熊野の絶景
伊勢と熊野を結ぶ巡礼の道熊野古道/松本峠
熊野三山は、「伊勢へ七度 熊野へ三度」という言葉があるほど人々の信仰を集め、江戸時代には1年間の巡礼者が約3万人にも達したそう。
標高差120mと低いため、山登り初心者でも比較的登りやすく、苔むした美しい石畳、竹林、妖怪と勘違いされて鉄砲で撃たれたという逸話のあるお地蔵様など、楽しみながら登ることができ、今でも人気です。
巡礼の地として人々を惹きつける熊野古道は、2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として世界遺産に登録されました。
綺麗な石垣が、自然石をそのままの形でうまく組み合わせて積まれていたり、小川にかかる橋が、一畳ほどもある大きな一枚岩で作られていたり。昔の人の知恵で自然を上手に活かしていたことが分かるポイントが、ところどころに見受けられます。
熊野古道をもっと知りたいという方にはスペシャリストの「語り部」さんに案内してもらうことが可能です。事前予約が必要なので、詳しくはこちらでご確認ください。
日本の棚田百選に選出丸山千枚田
丸山千枚田は、江戸時代には2240枚の田畑があったと記されており、現在でも1340枚の美しい棚田が広がっています。
早朝の靄に包まれた棚田や田植え時に水の張られた田が夕日に染まっていく姿など、時間や季節によってさまざまな表情を見せてくれます。人々を惹きつける景観は、日本一の棚田との呼び声も高く熊野市に来たら外せないスポットです。
時間があれば全体の棚田だけでなく、田んぼの下まで降りてぜひ近くまで行ってみてください。
近づいてみると意外にも1つ1つは小さく、ここから年貢を納めていたことを思うと、かつての農民の苦しい生活が偲ばれます。他にも、3株しか植えることのできない田んぼをわざわざ作り、水の落差をなくしていた昔の人々の知恵も発見でき、美しい景色の中に歴史を感じることもできます。
毎年6~7月に(毎年開催日は異なる)、豊作を祈願する行事「虫おくり」が行われます。キャンドルでライトアップされた棚田は幻想的な風景で、このイベントにタイミングを合わせて旅行をするのもおすすめです。
自然が作り上げた芸術瀞峡(瀞八丁)
瀞峡(どろきょう)は、和歌山県・三重県・奈良県を流れる熊野川の支流、北山川上流にある渓谷です。
一番の見どころは「瀞八丁(どろはっちょう)」と呼ばれる下瀞(しもどろ)で、特別名勝・国の天然記念物となっています。
ここでは時速40kmのウォータージェット船に乗り、巨大な岩壁の間を縫うように巡ることができます。船の屋根は天井が開くようになっているので奇岩の迫力を実感できます。巨大な岩の中には狛犬のように見えるものなど、さまざまな形のものがあり、ガイドさんの案内のもと探してみるのも楽しいです。途中、田戸乗船場で15分の休憩があります。降りたすぐ目の前に階段があるので、上からエメラルドグリーンの瀞峡全体を見渡すのもおすすめです。美しい自然に囲まれながら、静かでゆったりとした時間の流れを感じてみてください。
海にそびえ立つ巨大な岩壁楯ヶ崎
熊野海岸には、無数の柱が連なったように見える「柱状節理」の岩壁が至る所にあります。その中でも特に目を引くのが楯ヶ崎。高さ約80m、周囲約550mの岩壁が独立してそびえ立っているその姿には圧倒されます。遊歩道が整備されているので、国道から楯ヶ崎まで、ハイキングを楽しむこともできます。
楯ヶ崎周辺には、熊野海岸の壮大な自然を堪能できる青の洞窟や、海金剛があります。
よりダイナミックな景色を堪能したいという方は、ぜひ遊覧船に乗ってみてください。
特に青の洞窟と海金剛は遊覧船でしか出会うことのできない絶景です。おすすめの時間帯は太陽の光が差し込む12時と14時の便。
船に揺られて大きな岩壁や青の洞窟を目指す気分は、まさに冒険家のようです。行きは波が穏やかでも、帰りの波は荒れていることもあります。船酔いが心配な方は薬を飲んでから乗船することをおすすめします。
自然が生み出した「芸術作品」鬼ヶ城
鬼ヶ城は、隆起や強風、熊野灘の荒波によって作り出された自然の芸術。世界遺産に登録されています。海岸に沿って続く約1.2kmの遊歩道には大小無数の洞窟や絶壁があり、自然の力を感じます。
歩道は水が出て滑りやすいところもあるので、サンダルやハイヒールでの散策はNG。歩きやすい靴で楽しんでくださいね。
「鬼の見張場」からは真っ青な熊野灘を一望できます。波の音を聞きながら、全身で雄大な自然を堪能しましょう。
春には「桜の道」と呼ばれる遊歩道に4種類2000本の桜が咲き誇り、普段とは違った景色を楽しむことができます。
神話が語り継がれる日本最古の神社花の窟
花の窟(いわや)は、神々の母である伊弉冉尊(イザナミノミコト)が息子である火の神・軻遇突智尊(カグツチノミコト)を産んだ際に大やけどを負い、亡くなった後に葬られた地と言われています。
日本書紀に記されている日本最古の神社と言われ、世界遺産に登録されています。一般的な神社とは異なり社殿がなく、窟をそのままご神体としているのが特徴です。これだけ聞くと、なぜ恋愛の神様なのだろう?と不思議に思う方もいると思いますが、イザナミノミコトと夫(イザナギノミコト)が深く愛し合っていたことが語り継がれ、縁結び・安産のパワースポットとして、いまだに人気があるのですね。
毎年2月2日と10月2日の年2回、約45mの高さにある窟頂上から「七里御浜」へ向かって約166mの大綱「御綱」を引き出し、境内へ渡す「お綱掛け神事」が行われ、多くの方が参拝に訪れます。日本一長いとも言われている大綱を見るだけでもご利益がありそうです。
熊野の山々に囲まれた癒しの秘湯湯ノ口温泉・トロッコ列車
歴史ある秘湯ながら、リニューアルされたきれいな施設の一軒宿温泉 湯ノ口温泉。
湯ノ口温泉のおすすめポイントは、南北朝時代から地元の人々の心と身体を癒してきた源泉かけ流しの秘湯。今でも療養目的として多くの人が訪れるそうで、長期滞在の湯治向けに、バンガローやコテージも用意されています。
もう1つのポイントは、1200年前に鉱山で使用されていたトロッコ。やはり一軒宿の温泉で瀞峡にほど近い入鹿温泉と湯ノ口温泉の間の約1kmを10分かけて進んでいきます。ゴトゴトと旧坑道を走るトロッコに乗って湯巡り、という未知の体験に終始興奮!あっという間に目的地に到着します。
この機会に紀伊半島で唯一のレトロなトロッコ列車に乗って、2つの温泉を楽しんでみてください。
熊野のグルメ
熊野の食材を活かしたグルメリストランテ マリーナと鬼ヶ城センター
リストランテ マリーナは鬼ヶ城センターの2階にある、熊野の食材を使った料理を提供してくれるレストラン。目の前に広がる爽快な海と青空を楽しみながらの食事は格別です。
1階ではテイクアウトの熊野地鶏の手羽先や、熊野市で発見された新種の柑橘類「新姫(にいひめ)」を使った新姫ソフトが人気なので、こちらもぜひ試してみてください。種類豊富なお土産も揃っているので、帰りに立ち寄るのもいいですね。
また、センターは美味しい食事だけでなく、市内の観光スポットなども案内してくれるので、熊野に着いたら最初に立ち寄り、観光の回り方など効率よく熊野を満喫できるアドバイスを受けるのもおすすめですよ。
ほっと一息つける休憩処お綱茶屋
花の窟に隣接するお綱茶屋では、熊野の特産品の古代米(イザナミ米)を使用したメニューを食べることができます。古代米を混ぜたおにぎりはもちろん、もちもちとした食感が美味しいうどんは、麺に練り込んだ古代米の紫色が目を引きます。あまじょっぱいみたらし団子はおやつにもぴったり。熊野名物のめはり寿司も味わえます。花の窟でイザナミノミコトからパワーをもらった後は、熊野の地産品を美味しく食べて、体の内側からさらに元気になりましょう。天気のいい日は屋根のない席を選んで、あたたかい太陽の光と風を感じながら食事をとるのも気持ちがいいですよ。花の窟の資料も展示されているのでそちらをゆっくり見てから、参拝するコースもいいですね。
熊野に泊まる
トロッコと温泉のある宿ホテル瀞流荘
ホテル瀞流荘(せいりゅうそう)は入鹿温泉の一軒宿で、熊野の秘湯 湯ノ口温泉からほど近く、鉱山跡を走る人気のトロッコ列車で両方の温泉を行き来することも可能です。
お風呂は男女それぞれの大浴場に、瀞峡(瀞八丁)で有名な北山川の流れを一望できる露天風呂付き。
大自然に包まれて浸かる温泉は、心地よい風とともに身も心も癒やしてくれますよ。
食事のメニューは宿泊プランによって異なりますが、美熊野牛や熊野地鶏、熊野市で発見された新種の柑橘類 新姫など、地元の特産品をふんだんに使用し、季節ごとに旬の味を提供。夕食は地産地消の食材を活かしたシンプルで優しい味わいの会席料理です。レストランでの会場食となりますが、個室に区切られているため、家族連れやカップル、1人旅でも周りを気にせず落ち着いて食事を楽しめます。
宿からわずか500mほどのところに瀞峡巡りの乗船場があり、チケットも宿内で購入可能。また、絶景で人気の丸山千枚田へ車で約20分とアクセスがいいので、早起きして朝靄のかかった棚田を見に行く人も多いそうです。大自然に囲まれた立地のため駅からは少し離れていますが、事前の予約で熊野市駅・新宮駅-宿の無料送迎サービスを利用できます。
いかがでしたか。
次の旅行はどこへ行こうかな?と考えている方は、ぜひ絶景や温泉を堪能できる熊野を訪れてみてください。
最終更新日:2018年4月10日