1890年、オホーツク沿岸の町、網走市に漫画『ゴールデンカムイ』や映画『網走番外地』の舞台にもなった「網走監獄」が建設されました。当時この網走監獄に収監された囚徒たちの手によって北海道発展の礎が築かれたので
1890年、オホーツク沿岸の町、網走市に漫画『ゴールデンカムイ』や映画『網走番外地』の舞台にもなった「網走監獄」が建設されました。当時この網走監獄に収監された囚徒たちの手によって北海道発展の礎が築かれたのですが、このことは意外と知られていません。
網走に送り込まれた約1200人の囚徒たちは、安価な労働力として札幌~旭川~網走を結ぶ「中央道路」の建設作業に駆り出されました。作業環境は劣悪、食料運搬もままならない中、200人を超える囚徒たちが命を落とし、そのまま現場に埋葬されたそうです。「囚人道路」とも呼ばれた中央道路は「国道」などへと名称を変え、現在も北海道の主要都市間を結ぶ重要な役割を担っています。
「博物館 網走監獄」は、そんな
網走刑務所の旧建造物を保存公開している野外歴史博物館です。広い敷地の中には25の施設が並び、内8棟が国の重要文化財、6棟が登録有形文化財に指定されています。
数ある施設の中でも一番の見どころは重要文化財「五翼放射状平屋舎房」。1912年の建造から1984年までの長きにわたり使用されてきた建物を、移築・復元し公開しています。特徴は中央の見張所から放射状に並ぶ監獄の廊下を全て見渡せること! ベルギーのルーヴァン監獄をモチーフにして造られたこの建物は、世界最大の木造行刑建築物としても知られています。
その他、囚徒たちの過酷な作業状況や、生活の様子が詳しく展示されています。時間を忘れて楽しめるほど充実した内容で、じっくり回ると軽く2~3時間は超えてしまうことも。時間に余裕を持って向かうことをおススメします。
なお入場口の側にある「監獄食堂」では、現在の
網走刑務所の昼食を再現した「監獄食」をいただくことができます。魚中心のバランスのとれたメニューで、意外と美味! 現在の受刑者がどの様な食事をしているのか、ぜひ体験してみて下さい。
網走監獄への行き方は、JR網走駅前から網走バス「観光施設めぐり」天都山方面行きへ乗車し約10分。博物館網走監獄バス停で下車して下さい。入館料は大人1人1,100円(大学・高校生770円、小中学生550円)となります。