東慶寺は北鎌倉駅にある寺。現在では季節の花々が楽しめる人気の場所ですが、「縁切り寺」「駆け込み寺」としての長い歴史を持つことでも名高いお寺です。
その由縁は、まだ女性側からの離婚が許されていな
東慶寺は北鎌倉駅にある寺。現在では季節の花々が楽しめる人気の場所ですが、「縁切り寺」「駆け込み寺」としての長い歴史を持つことでも名高いお寺です。
その由縁は、まだ女性側からの離婚が許されていなかった封建時代から明治までの約600年間、東慶寺に駆け込めば離縁ができるという女人救済の尼寺だったこと。その歴史も1902(明治35)年に幕を閉じ、その後は男僧の禅寺として禅を世界に広める役割を担ってきました。
そのような歴史から、「三行半(みくだりはん)」と俗に言われる離縁状などの古文書約800点が重要文化財に指定され、東慶寺の宝物館である松岡宝蔵に一部展示されています。
そのほかの文化財としては、松岡宝蔵にある「聖観音菩薩立像」、本堂奥の水月堂にある「水月観音菩薩半跏像」などがあります。
山門をくぐった石畳沿いには、2月から3月にかけて紅白の梅が咲きます。
その後は桜、6月には花菖蒲や岩がらみ、紫陽花など、一年を通してさまざまな草花が楽しめます。境内に咲く花の香を閉じ込めた「花たより(文香)」も販売されています。
奥の墓苑には後醍醐天皇の皇女、用堂尼のお墓や、鈴木大拙をはじめとする多くの文化人のお墓などもあります。あたりは背の高い木々に囲まれており、丘陵の間に谷が入り組んだ鎌倉ならではの地形「谷戸」の豊かな自然が堪能できます。