白川郷・五箇山の合掌造り集落は、地域固有の伝統的な建築や景観が現存する集落として、1995年に世界文化遺産に登録されました。なかでも白川郷の荻町集落は、五箇山の
相倉、
菅沼の2つの合掌集落に比べて最も規模が大きく、登
白川郷・五箇山の合掌造り集落は、地域固有の伝統的な建築や景観が現存する集落として、1995年に世界文化遺産に登録されました。なかでも白川郷の荻町集落は、五箇山の
相倉、
菅沼の2つの合掌集落に比べて最も規模が大きく、登録面積全体のおよそ2/3を占めます。
かつて、庄川流域の山間に点在していた合掌造り集落が、相次ぐダム建設や道路整備などによって急速に減少する中、ここでは1971年に住民組織「荻町集落の自然環境を守る会」が発足。合掌造り家屋を「売らない、貸さない、壊さない」の三原則を掲げ、集落の保存活動を展開し、60棟の合掌造り家屋からなる集落として今に至ります。
白川郷バスターミナルを起点に、隅々まで歩いて約20分でアクセスできる集落はのんびり散策するのがおすすめ。和田家や長瀬家、神田家、美然ゆめろむ館、明善寺、奥左ヱ門といった、それぞれの時代を物語る建物の中を見学することもできますし、お食事処や喫茶店などは30店舗以上あります。また、集落内には公衆トイレも点在していますので、気ままなぶらり歩きが楽しめます。
そこかしこで田植えをしている春は、日本の山里の原風景そのものです。
5月中旬には、本覚寺にある岐阜県指定の天然記念物「オオタザクラ」という八重桜が見頃を迎えます。
夏は集落の所々を流れる水路を訪ね歩いてみてください。国指定重要文化財の和田家から南へと続く木道は、美しい景色に加えて、横を流れるせせらぎの音や原っぱを渡るそよ風を感じることができます。
秋は山の上から里へと次第に紅葉が下りてくる様子や、晩秋の早朝には、太陽の光を浴びた合掌家屋の屋根から湯気が上がり、家が呼吸をしているかのような不思議な光景を目にすることができます。
冬は水墨画のようなモノトーンの世界に浸りながら、しんしんと雪が降り積もる静寂が味わえます。
自然とともに生きてきた合掌造り集落。日本の季節に会いに、白川郷へ足を運んでみてください。