明善寺は白川村の荻町集落にある真宗大谷派のお寺。古くから村では浄土真宗が信仰されていましたが、1600年代、もともと集落内にあった寺が本願寺派に転じたことから、別の集落にあった道場を現在の地に移転。1744
明善寺は白川村の荻町集落にある真宗大谷派のお寺。古くから村では浄土真宗が信仰されていましたが、1600年代、もともと集落内にあった寺が本願寺派に転じたことから、別の集落にあった道場を現在の地に移転。1744(延享元)年に寺号を与えられ今に至ります。本堂・庫裏(くり)・鐘楼門の屋根は全てかやぶきで、県や村の重要文化財に指定されている貴重な寺院です。
鐘楼門は、1階に板庇(ひさし)をつけた珍しい建築物。春になると桜の木が寄り添うように咲き、かやぶきの色と桜色が見事なコントラストを演出します。
5階建ての庫裏は、合掌造りとして最大級。屋根は60度近い急勾配になっています。
内部は農具や養蚕などの郷土資料を集めた展示があります。往時は屋根裏の大空間を利用して養蚕が盛んに行われ、忙しくなる春と夏は、まるで「繭製造工場」だったそう。
本堂の内部には庫裏の1階から通路を進み、スリッパを脱いで入ります。中央の奥の間にある内陣には本尊の阿弥陀如来像が安置されており、極楽浄土の世界を表現したきらびやかな装飾を見られます。外陣には京都の有名な社寺にも作品がある浜田泰介画伯の障壁画があり、四季の富士山や太陽と月を表した日天・月天とともに、飛騨に広く浄土真宗を広めた嘉念坊善俊(かねんぼうぜんしゅん)が描かれています。本堂は法務がある時は入れないので要注意。