7世紀の初め頃、聖徳太子が父、用明天皇を弔うためにお寺の建立を発願したのが法隆寺の始まりと伝わっています。法隆寺の境内は、金堂や五重塔がある西院伽藍(さいいんがらん)と、夢殿のある東院伽藍(とういんがらん)
7世紀の初め頃、聖徳太子が父、用明天皇を弔うためにお寺の建立を発願したのが法隆寺の始まりと伝わっています。法隆寺の境内は、金堂や五重塔がある西院伽藍(さいいんがらん)と、夢殿のある東院伽藍(とういんがらん)に分かれ、飛鳥時代をはじめとする仏像や建造物が数多く残されています。
まず、南大門から境内に入って直進し、中門(国宝)の左手にある拝観受付から内部へ入ると、金堂と五重塔が並ぶ伽藍が目に飛び込んできます。
世界最古の木造建築である金堂(国宝)は、飛鳥時代の様式を色濃く残す入母屋造りの建造物です。堂内にある御本尊、釈迦三尊像(国宝)は飛鳥彫刻を代表する仏像で必見です。その他にも薬師如来像や四天王像(いずれも国宝)など、貴重な仏像群を拝観できます。
五重塔(国宝)も金堂と同様に世界最古の木造建築です。上の層になるほど軸部や屋根が小さくなっていて、安定感のある建造物といえるでしょう。初層には裳階(もこし)という小さな屋根があり、金堂の下層にも同様の裳階が見られます。
金堂と五重塔の奥には大講堂(国宝)があり、こちらは平安時代に建立されたもの。堂内には薬師三尊像が安置されています。
法隆寺を代表する寺宝が収蔵されている「大宝蔵院・百済観音堂」ももちろん必見です。飛鳥文化の意匠が色濃く残る玉虫厨子(国宝)や、悪夢を吉夢に替えてくれるとの言い伝えもある夢違観音像など、印象深い芸術のオンパレード。中でも、像高約2mでスマートさが際立つ百済観音像(国宝)はじっくりと鑑賞したいところ。優しいお顔の表情や、しなやかさを感じる指先など、その美しさにさまざまな角度からうっとりと見入ってしまいます。
大宝蔵院から徒歩で5分ほど東へ向かうと、夢殿のある東院伽藍へ。夢殿は奈良時代に建てられた八角円堂(国宝)です。堂内に安置されている御本尊、救世観音像(国宝)は毎年2回(4月11日〜5月18日、10月22日〜11月22日)公開されます。聖徳太子の等身像ともいわれ、長きにわたり秘仏として保存されてきたため、制作当時の輝きを今なお見ることができます。