パワースポットとして名高い大神神社。50万人を超える参拝者が集まる正月三が日だけでなく、平日でも訪れる人の姿は絶えることがありません。なんといってもここは日本最古ともいわれる神社なのです。
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パワースポットとして名高い大神神社。50万人を超える参拝者が集まる正月三が日だけでなく、平日でも訪れる人の姿は絶えることがありません。なんといってもここは日本最古ともいわれる神社なのです。
その昔、大物主大神(おおものぬしのおおかみ)が三輪山に祀られることを望んだと『古事記』や『日本書紀』に記され、ご祭神がお山に鎮まるよう、祈りを捧げたことがこの神社の始まりとされます。以来、神を祀る本殿を設けず、三輪山を神として祀るという古代の信仰形態を今に伝えています。
JR三輪駅から徒歩5分ほど。二の鳥居をくぐると、三輪山の裾野に広がる杉やヒノキ、松などに囲まれた参道が延びています。山に向かって進み、正面の階段を上ったところにある現在の拝殿は、1664(寛文4)年、江戸幕府4代将軍徳川家綱によって再建されたもの。その奥にはご神体の山との境に立つ三ツ鳥居(国の重要文化財)がありますが、三ツ鳥居より奥は普段より神職ですら足を踏み入れない神聖な場所とされています。
拝殿で祈りを捧げた後は、神の宿るお山の裾に広がる境内のパワースポット巡りへ。拝殿前にそびえる「巳の神杉」もその一つ。樹齢500年ともいわれる杉の木で、根元に洞が開き、ここから神様が白蛇の姿で現れると伝えられています。親しみを込めて「巳さん」と呼ばれる神様の好物、卵を供えるのがここの願掛けスタイルです。
また、参集殿の玄関に置かれた「なで兎」もお忘れなく。元は大神神社の大鳥居前に1740(元文5)年に奉納された鉄の灯篭に据えられていたもの。いつの頃からかこのウサギの置物をなでると、願い事を叶えてくれる、体の痛いところを癒やしてくれるという言い伝えが。ウサギといえば、大神神社の例祭である大神祭は、崇神天皇の8年という卯の年の卯の日に始まったとされ、ご神縁が深い動物。今も、人々になで続けられ、いつもピッカピカです。特に正月には長い行列ができるので、専用の建物が建てられるほどの人気です。
大物主大神は酒造りの神様、素麺作りの守護神など、さまざまな神話、逸話が伝わっていて、これこそ古代から信仰を集めるパワーの証。山の辺の道の南の起点にも近いので、ハイキングの途中にも、ぜひ立ち寄りたいところです。