1236(嘉禎2)年、当時、摂政の重職にあった九条道家(くじょうみちいえ)が祖先を祀るために建立されたのが東福寺です。
京都最大のお寺をめざし、規模は奈良で最大の寺院である
東大寺を、仏の教えは当時最も栄えて
1236(嘉禎2)年、当時、摂政の重職にあった九条道家(くじょうみちいえ)が祖先を祀るために建立されたのが東福寺です。
京都最大のお寺をめざし、規模は奈良で最大の寺院である
東大寺を、仏の教えは当時最も栄えていた
興福寺になぞらえ、各寺院から一文字ずつを取って「東福寺」と名付けたそうです。
1334(建武元)年には、京都にある臨済宗の中で格式の高い寺院を意味する京都五山に列する寺院のひとつとして大いに栄えました。
東山の山腹と渓谷を利用した境内には、壮大な伽藍と多くの塔頭寺院があり、建築、紅葉、庭園など見どころも豊富です。
建築においては、室町時代の建築物が今なお数多く現存。中でも三門は禅寺のものとしては日本最古にして最大級といわれ、当時の威容をそのまま伝えています。他にも禅堂や愛染堂、仁王門などはすべて重要文化財です。
また境内には洗玉澗(せんぎょくかん)と呼ばれる渓谷があります。約2000本のカエデが植えられ、秋には渓谷一面を真っ赤に染める京都屈指の紅葉スポットです。
本堂と開山堂を結ぶ通天橋から、この渓谷を見下ろすことができるのが、東福寺ならではの紅葉の楽しみ方です。
さらに、昭和を代表する作庭家の重森三玲(しげもりみれい)による本坊庭園は必見。広大な方丈を中心に東西南北に4つの庭を配置しています。
南庭は巨石を配置し力強い印象の枯山水。西庭はサツキの刈り込みと葛石で、井の字型に土地を分ける古代中国の土地制度・井田(いだ)を表しています。北庭は敷石と苔のコントラストが美しい市松模様を表し、東庭は石柱で表現した北斗七星が特徴的です。