京都駅の南西に位置する東寺は、真言宗を開いた弘法大師・空海ゆかりの寺院として知られています。
創建は796(延暦15)年で、正式には教王護国寺(きょうおうごこくじ)。
桓武天皇が王城鎮護
京都駅の南西に位置する東寺は、真言宗を開いた弘法大師・空海ゆかりの寺院として知られています。
創建は796(延暦15)年で、正式には教王護国寺(きょうおうごこくじ)。
桓武天皇が王城鎮護を願って建てたのが始まりで、羅城門を挟んで西側に位置する西寺とともに平安京の官寺として創建されました。
その後、即位した嵯峨天皇が中国・唐において新しい仏教である「密教」を学んできた空海に東寺を下賜し、真言密教の根本道場として繁栄しました。
現在、羅城門や西寺は無くなりましたが、東寺は世界遺産に登録され、国宝や重要文化財も多く残ります。
中でも講堂に安置されている立体曼荼羅は圧巻。空海が構想したもので、21体の仏像が曼荼羅の世界を見事に表現しています。
注目すべきはその配置です。大日如来を中心とした五智如来を真ん中に、向かって右側に金剛波羅蜜菩薩(こんごうはらみつたぼさつ)を中心とした五大菩薩、左側には不動明王を中心とした五大明王が並びます。そしてその周りを梵天、帝釈天、四天王が、まるで護っているかのように囲んでいます。
また、講堂の南にある金堂は東寺の本堂にあたる建物。天竺様と和様を合わせた桃山時代の代表的な建築で国宝に指定されています。
印象的な屋根の切り上げは、
東大寺の大仏殿や
平等院の鳳凰堂にも見られる形なのだとか。
東寺の代名詞でもある国宝の五重塔は、高さ約55mで木造建造物としては日本一の高さになります。
特別公開時には極彩色で彩られた塔の内部も見学ができるので、ぜひタイミングをあわせて訪れたいところです。
空海の月命日である毎月21日は弘法市が開かれ、骨董など多くの露店で賑わいます。
また、江戸末期に東寺のお坊さんから頼まれて誕生したという笹屋伊織の「どら焼」は、弘法市の日とその前後の毎月3日間のみ味わえる限定のお菓子。
笹屋伊織の本店は、東寺の東側に続く大宮通を北上すると大宮七条交差点付近にあるので、東寺の弘法市またはその前後に参拝したら、立ち寄ってみるのもおすすめです。
境内の参拝は自由ですが、金堂・講堂の拝観は500円、観智院は500円が別途必要です(季節により異なります)。