建物の長さが南北にわたって約120mという、そのスケールがあまりにも印象的な三十三間堂。
実は、三十三間堂とは通称で、蓮華王院というのが正式名称です。本堂の内陣の柱間が33あることから、「三十三間堂」と親
建物の長さが南北にわたって約120mという、そのスケールがあまりにも印象的な三十三間堂。
実は、三十三間堂とは通称で、蓮華王院というのが正式名称です。本堂の内陣の柱間が33あることから、「三十三間堂」と親しまれるようになりました。
そのはじまりは平安末期、後白河上皇が建てた院の庁「法住寺殿」内に、平清盛の寄進でお堂を建てたこととされます。このお堂はのちに焼失し、現在のお堂は鎌倉時代に後嵯峨上皇によって再建されました。
南北に長いお堂の中心には、鎌倉時代の仏師・湛慶による国宝・千手観音坐像が鎮座します。その高さは3mほど。千手観音坐像のまわりには、1001体の国宝・千手観音立像が整然と並び、その姿はまさに圧巻。ちなみに、1001体のうち124体は創建当時のままの姿が残り、そのほかの仏像は鎌倉の頃に再興されたと伝わります。
1001体の観音様の中には、自分の会いたい人によく似た像があるともいわれています。もし発見できたなら、とっても幸せな気分になりますので、ぜひ探してみてくださいね。
また、豊臣秀吉により三十三間堂の北側に方広寺大仏殿が建てられた際には、「千手堂」として方広寺の境内となり、その周りを囲むかのように大きな土塀が築かれました。この塀は太閤塀と呼ばれ、南大門とともに三十三間堂の南側に当時の遺構として今も残ります。
新春の風物詩として毎年1月には、大的大会(おおまとたいかい)が行なわれ、新成人が華やかな振り袖をまとい、弓道の技を競い合います。これは江戸時代に盛んになった「大矢数」にちなんだもの。大矢数とは、一昼夜かけて弓を射通しその数を競ったもので、各藩の武士達の栄誉をかけた行事として大変盛り上がりました。
この大的大会と同日に行なわれるのが、楊枝のお加持(やなぎのおかじ)。平安時代から続く行事で、観音さまに祈願した法水に楊枝を浸して参拝者の頭上に振りかけることで、無病息災を祈ります(当日境内無料)。
拝観料は一般600円、高校中学400円、小学生300円。三十三間堂の名にちなんで、毎年3月3日はお堂が無料公開され、限定の女性専用「桃のお守り」も授与されますよ。
三十三間堂へのアクセスは、市バスの博物館三十三間堂前バス停下車、徒歩すぐ。または、京阪本線の七条駅から徒歩約7分です。