熊本県は環境省の名水百選に全国最多の8か所が選ばれている“水の国”です。その代表的な名水の一つが菊池水源。この水源がある菊池渓谷は、阿蘇の伏流水が流れているため、水が美しいことはもちろん、四季折々の渓谷美が
熊本県は環境省の名水百選に全国最多の8か所が選ばれている“水の国”です。その代表的な名水の一つが菊池水源。この水源がある菊池渓谷は、阿蘇の伏流水が流れているため、水が美しいことはもちろん、四季折々の渓谷美が楽しめると人気のスポットです。
菊池渓谷は、阿蘇外輪山の北西部の標高500~800mの間に位置します。九州自動車道植木ICや阿蘇くまもと空港から車で40分ほど。渓谷は天然の広葉樹の森に囲まれていて、春から夏は緑色、秋は黄色や橙に染まり、冬は霧氷の花が咲きます。年間平均気温が11~15度と低く、夏でも水温が13度ほどなので、避暑地として有名。夏は天然のクーラーを求めて、観光客や地元の人が数多く訪れます。
菊池渓谷の特徴は、さまざまな滝があること。渓谷の散策コース序盤のほうにある黎明(れいめい)の滝は、菊池渓谷を代表する滝のひとつ。近寄るとまるで滝の中に入ったかのような迫力ある大きな水の音が響き渡ります。
さらに進むと、美しい藍色の水をたたえる竜ヶ渕(りゅうがぶち)に注ぐ天狗滝があります。そしてその奥にある四十三万滝は、日本の滝百選に選ばれています。新聞社が行った景勝地募集で43万票集めたからとか、1日の水の量が43万石(約7.8万リットル)あるからなど、名前の由来には諸説あります。
フォトスポットとしても人気のある菊池渓谷。SNS映えの写真を求める人からプロのカメラマンまで、さまざまな人が写真を撮りに訪れます。どこを切り取っても絵になりますが、おすすめは散策コースの中でも奥のほうにある広河原。木漏れ日が差して光のシャワーが降り注ぐ渓谷は幻想的です。