皇居東側の旧江戸城の本丸、二の丸、三の丸の一部を皇居附属庭園として整備し、一般公開されているのが皇居東御苑です。豊かな自然に親しめるよう、四季の花々や樹木が配置されています。江戸城の遺構や歴史に思いをはせながら
皇居東側の旧江戸城の本丸、二の丸、三の丸の一部を皇居附属庭園として整備し、一般公開されているのが皇居東御苑です。豊かな自然に親しめるよう、四季の花々や樹木が配置されています。江戸城の遺構や歴史に思いをはせながら散策してみましょう。
入口は大手門、平川門、北桔橋門の3カ所。入園は無料ですが、受付で入場券を受け取り、出口で返却します。出口は入園口と違う場所でもかまいません。
大手門へは東京メトロ大手町駅から徒歩約5分、二重橋駅からは約10分、JR東京駅からは約15分です。発券所にはマップ付きのガイドパンフレット(英語、中国語、韓国語あり)があるので、入手してからまわりましょう。
江戸城の正門だった大手門は、諸大名が登城に使った門です。発券所を経てすぐ右手の建物は三の丸尚蔵館。代々皇室に受け継がれてきた美術品類が収蔵、展示されています。
尚蔵館の前にある大手休憩所(売店)には皇室ゆかりの品や絵ハガキ、クリアファイルなどを販売。
皇居参観や皇居東御苑見学のお土産が調達できます。
毎週水・土曜の10時30分と13時20分にはボランティアガイドによる無料の案内があります。大手休憩所(売店)に集合し、所要時間は60から90分。時間があえば利用してみましょう。
江戸城にはいくつもの検問所がありましたが、与力・同心が詰めていたのが同心番所で、最大のものが百人番所。伊賀組、甲賀組などの4組が昼夜交代で詰め、同心百人が配置されていた江戸期の遺構です。
大手中の門を入ったところには大番所が復元されています。
見どころには英語併記の解説板がありますが、宮内庁音声ガイドが設置されているところもあるのでお試しを。掲示されている二次元バーコードを読みとり無料アプリをダウンロードすればOK。日本語のほか、英語、中国語、韓国語、フランス語、スペイン語が利用できます。
坂を上った中雀門跡からが本丸エリアで、旧江戸城の中心だったところ。石垣をめぐらした高台にあり、約13万平方メートルと広大です。
当時の本丸は表・中奥・大奥から成る豪華な殿舎がところせましと建ち並んでいたといいます。いまでは天守閣があった天守台や富士見櫓、富士見多聞が江戸城の遺構として残り、果樹古品種園、茶園、バラ園、竹林、野草の島、桜の島などの草木園が点在。
本丸エリアの中心に広がる大芝生は、天皇陛下が即位後に大嘗祭を執り行ったところです。大芝生の奥にある天守台からは本丸エリアが見わたせ、かつての江戸城を想像するのも楽しいでしょう。
本丸から二の丸へは汐見坂を下っていきます。当時はこの坂から海が眺められたというのが坂の名の由来。二の丸エリアには二の丸庭園や雑木林などがあり、豊かな自然に親しめます。二の丸庭園は、3代将軍家光公の命により小堀遠州がつくったとされる庭園をもとにした池泉回遊式庭園で、9代将軍家重時代の庭の絵図面をもとに復元。二の丸池は、遠州作という庭園の池水とほぼ同じ位置にあるとのこと。池のほとりの菖蒲田には84品種の花菖蒲が植えられ、色とりどりの花を咲かせます。初夏に訪れたなら必見スポットです。雑木林は昭和天皇の発意で造成されたもので、武蔵野の雑木林を思わせるところ。あずまやになっている二の丸休憩所前には秋の七草を集めたコーナーがあります。
苑内には休憩ベンチはほとんどありませんが、本丸と二の丸、大手にそれぞれ休憩所が設けられています。休憩所にはドリンクの自動販売機が設置。ガイドマップでお手洗いや休憩所の位置を確かめてからまわるとよいでしょう。
広大な苑内をめぐるには2〜3時間は必要です。