“アクロポリス”と呼ばれる場所はギリシャ各地にあります。もともとはその土地の王族の宮殿が置かれ、宗教儀式などにも利用されていましたが、都市国家(ポリス)の成立に伴って守護神を祀る聖地へと変化していきました。
アテネのアクロポリスも、ミケーネ時代(紀元前13〜12世紀)には現在のエレクティオンの位置に“メガロン”と呼ばれる王宮が建っていました。この王宮には最初の王ケクロプスの墓所があり、当時はこの王を祀っていたのです。
アテネのアクロポリスが女神アテーナーの聖地となるのは、最初のパルテノン神殿が建造された紀元前560年頃のことです。その後、様々な侵略者や自然災害によって破壊と再建を繰り返してきましたが、3000年の時を経た今もアクロポリスはアテネ市民の暮らしを見守っています。
現存する建造物は、プロピュライアとパルテノン神殿、エレクティオン、そしてアテーナー・ニケ神殿です。この勝利の女神アテーナー・ニケ神殿はプロピュライアの左側(向かって右側)に位置しており、うっかりすると見逃すので注意してください。
地下鉄アクロポリス駅からのアクセスは、石畳の遊歩道ディオニシウ・アレオパギトゥ沿いに丘を半周するのが正規のルートですが、これだとかなり遠回りになるし、炎天下で券売所や遺跡の入口、プロピュライアで並ぶことになります。
そこで、もし古代アゴラやゼウス神殿など他の遺跡も回るつもりなら、遺跡共通券(30ユーロ)を購入して、ディオニソス劇場の入口から入ることをおすすめします。こちらは丘の中腹を歩くルートで距離も短縮でき、また途中の木陰で休憩することもできます。
その他の注意点として、夏場は気温の上がる午後の時間帯を避け、できるだけ午前中に見学すること。遺跡内は日陰がないため、帽子とサングラスを着用することをおすすめします。
また、遺跡内は必ずしも平たんではなく、ところどころに岩肌が露出して滑りやすくなっています。写真撮影に気を取られて足を滑らせると、大変危険ですので足元には充分注意してください。
もうひとつ、安全上の理由からスーツケース等キャリーバッグの持ち込みは禁止されています。バックパックやハンドバッグは問題ありません。
入場料は、大人20ユーロ。18歳以上の学生は半額、18歳未満は無料(学生証・パスポートの提示要)。
3月6日、4月18日、5月18日、9月最後の週末、10月28日、11~3月の最初の日曜日は入場無料。
Acropolis of Athens アクロポリス
3000年の歴史を誇る信仰の丘、アテネ観光のハイライト
- 投稿日2019/09/26
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プロピュライアをくぐると広々とした神域に
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アクロポリスを右手に望みながら、丘をほぼ半周するディオニシウ・アレオパギトゥ遊歩道
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遺跡正面の入場券売り場
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遺跡共通券をお持ちならディオニソス劇場の入口から入るのが近道
言わずと知れたアテネのシンボル
- 投稿日2015/03/23
- 更新日2020/09/07
アクロポリスは古代ギリシャ語で、「町の高い所」という意味で、その名の通り丘の上にあります。
アクロポリスは、古代アテネが繁栄を始めた青銅器時代には既に重要な役割を果たしていたようですが、現在残っている重要な建造物はほとんどが、アテネの黄金時代である紀元前五世紀の物です。
アクロポリスにあるもっとも有名かつ重要な建造物はパルテノン神殿です。古代ギリシャ語で「処女、乙女」を意味するパルテノンの名がついているのは、ここに「処女アテナ」女神が祭られていたからです。名前が似ていることからも想像がつくかと思いますが、アテナ女神は古代アテネの守護神でした。現在残るパルテノン神殿は、古代アテネの黄金時代を築いた政治家ペリクレスが、建築家フェイディアス(もしくはフィディアス)に依頼して建造させたものです。
パルテノン神殿の少しあとに建てられたのがプロピュライア。アクロポリスの聖域の入り口に造られた、門口の役割を果たす建造物です。建築家はムネシクレス。門であっただけではなく、公職者が儀式としての食事をとるスペースもありました。
プロピュライアから聖域内部に入り、パルテノン神殿の方に向かってゆくと、左手に大理石の女性像を柱にしたエレクテイオンが見えます。エレクテイオンは、複数の神々や英雄が祀られていたため、どこが正面か分からないような複雑な形をしています。エレクテイオンの名前は、ここで祀られていたアテネの伝説的な王エレクテウスの名前から来ていますが、その他にも「都市の女神アテナ」、海神ポセイドンらが祀られていました。
例外はありますが、古代ギリシャの神殿は東側を向いて建てるのが規則です。つまり、内部に安置される神像が太陽が昇る方向を向くようになっていました。しかし、アテネのアクロポリスはその地形のゆえに、西側から上って行くようになっています。従って、パルテノン神殿も、エレクテイオンも、入ってすぐに見えるのは、実は建物の後ろ側だというのは、ちょっとびっくりです。
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ジャンル史跡・遺跡 世界遺産
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エリアアテネ
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住所
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アクセス地下鉄M2線 アクロポリス Acropoli駅から徒歩約12分
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電話番号+30-210-3214172
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営業時間夏季: 8:00-20:00(最終入場19:30), 冬季: 8:00-17:00(最終入場16:30)
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定休日1月1日,3月25日,5月1日,復活祭,12月25日,12月26日
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予算入場料(大人) 10~20ユーロ
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公式サイト
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