古代アゴラの遺跡に入って右手奥、北西の角に建つ白亜の神殿。鍛冶の神ヘファイストスを奉じた神殿ですが、神殿内部にはヘファイストスの隣にアテーナーのブロンズ像も飾られていたことが分かっています。
他のオリュンポスの神々に比べ、足に障害があり、外見も見劣りするヘファイストスですが、都市国家のアテナイでヘファイストス信仰が盛んだったのは、ひとつにはヘファイストスが女神アテーナーの助産師だったこと。パルテノン神殿の切妻には、ヘファイストスが特製の斧でゼウスの頭を割って、アテーナーが誕生する様子が描かれていました。
もうひとつは、スニオン岬に近いローリオン鉱山で銀鉱が見つかり、これが都市国家アテナイの躍進に大きく貢献したこと。冶金や銀細工は重要な収益源となりました。
一方、女神アテーナーは陶芸や職人の守護神でもあり、神殿の周辺には鍛冶屋や陶器の店がひしめき合っていました。また5年に一度開催されたハルキア祭では、鍛冶職人たちは工具を携えて通りを練り歩いたと言われています。
神殿の建設は紀元前449年に着工したものの、途中パルテノン神殿の建設に石工を取られたりして、完成までに30年近く要したと言われています。
完成したヘファイストス神殿は前面6柱、横13柱とやや小ぶりながら、現存するドーリア式の神殿では最も保存状態が良く、間近に寄って触れることもできるので、神話・遺跡ファンは必見です。
7世紀以降は、聖ヨルゴス教会として使われていました。
ヘファイストス神殿の見学料は、古代アゴラの入場料に含まれています。
Temple of Hephaestus ヘファイストス神殿
長田 幸廣
(翻訳家、マーケットリサーチャー)
冶金や鍛冶、陶芸など、火を操る職人の聖地
- 投稿日2019/09/26
2019/09訪問
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ジャンル史跡・遺跡
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エリアアテネ
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住所
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アクセス地下鉄M1・M3線 モナスティラキ Monastiraki駅から徒歩約3分
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電話番号+30-21-03210185
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営業時間4-8月: 8:00-20:00, 9月1-15日: 8:00-19:30, 9月16-30日: 8:00-19:00, 10月1-15日: 8:00-18:30, 10月16-31日: 8:00-18:00, 11-3月: 8:00-15:00
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定休日1月1日,3月25日,5月1日,復活祭,12月25日,12月26日
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予算入場料 10ユーロ
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公式サイト
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