旅行者の一般観光コースには含まれませんが、タイの人々なら誰でも知っているワット・スタット寺院をご紹介します。
200年ほど前、ラーマ1世国王時代に王室寺院として建設が始まり、ラーマ3世時代に完成しました。美術的にも見どころが多く広い境内ですが、地元の参拝客が多く、外国人観光客は少ないのでタイの日常を感じながらゆったりと回ることができます。夜、旅行者は寺院内に入場できませんがライトアップされた夜の外観も綺麗です。
寺院に入る前に目を引くのが、正面にそびえる高さ20メートルほどある赤い鳥居のようなもの。これが巨大ブランコ(タイ語でサオ・チン・チャー、英語でジャイアントスイング)です。約80年ほど前までは実際に使われていました。司祭が乗った、6本のロープで吊るした小船を揺らす、ヒンドゥー教の「トリーヤムパワーイ」と呼ばれる儀式が毎年行われていたのですが、事故が続いたため現在は中止となっています。以前はタイ各地にあった巨大ブランコも今ではここだけとなってしまいました。
拝観料は100バーツ。入り口を入るとまず礼拝堂があります。この中には北部スコータイ県より船で運ばれてきた高さ7メートル幅6メートルほどのシー・サーカヤームニー仏があります。仏像が大きかったため一度壁を壊して中に搬入したと伝えられています。この仏像の御座にはラーマ8世の遺骨が納められています。また礼拝堂の回廊に設置されている156体の瞑想している仏像は圧巻です。
礼拝堂から50メートルほど先に進むと布薩堂があります。こちらはラーマ3世の時代に建立され、中には、仏舎利を有したトリーローカチェート仏が安置されています。仏像の後ろ側の扉から外に出ると金色の変わったお顔の仏像があります(画像参照)。
境内を歩くと目につくのが中国風の石像です。バンコク三大寺院のひとつ、ワットポーにも多く見られますが、これは中国との交易が盛んな時代、往路は荷物をたくさん積み、帰路、荷物が少なくなった船の安定を図るために船底に積まれて中国から運ばれたものです。
巨大ブランコで有名なお寺ですが、地元の人々にはピー(幽霊や精霊)プレート(餓鬼)が集まる寺院として知られています。ピー・プレートとは生前に虚偽な行為を行ったり、口が悪かったりした人が死後になると言われており、見た目は木より高い背丈の痩せこけた体と、バサバサの髪と針の穴ほどの小さな口をした餓鬼です。「三界経」の仏典に基づく地獄、天国、人間界などの仏教の教えを分かりやすくイメージした壁画が礼拝堂に描かれています。礼拝堂の壁画の中からプレートをぜひ探してみてください。
場所は地下鉄サムヨート Sam yot駅から外国人入場門までは徒歩10分ほど。寺院近くには古い町並みの仏具通りもあり、面白い地区ですのでのんびりと街歩きもいいかもしれません。
Wat Suthat ワット スタット
バンコクBOO
(タイ在住ペットブリーダー兼ブロガー)
巨大ブランコが目を引く王宮寺院
- 投稿日2020/01/17
2019/12訪問
-
ジャンル寺・神社・教会
-
エリアラタナコーシン
-
住所
-
アクセスMRTブルーライン サムヨート Sam yot駅から徒歩7分
-
電話番号+66-2-622-2819
-
営業時間8:30-21:00
-
定休日無休
-
予算拝観料 20バーツ
-
公式サイト
- 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。
ワット スタット周辺のおすすめ観光スポット
- ワット・プラ・ケオ(エメラルド寺院)
- カオサン通り
- ワット・ポー(ねはん寺)
- 王宮
- チャオプラヤー川
- パー・チャオーン(チャオーンおばちゃんのうぶ毛取り)
- ワット・アルン(暁の寺)
- シリラート医学博物館
- ローン 1919
- ワット ベンチャマボピット