イザベラ・ガードナーは父親の多額の遺産を相続し、1892年から美術品を収集するようになったが、最初の頃に購入した作品がフェルメールの”合奏”と美術品の目利きにすぐれていたことがわかる。その後、ボッティチェリ、ラファエロ、レンブラント、ミケランジェロ、マネ、ドガ、サージェントなど名作の数々を次から次へと購入していった。日本にも3ヶ月間滞在したことがあり、日本美術にも造詣が深い。
1898年に夫に先立れた後、美術館を造って収集した美術品を展示することに決め、現在の美術館のロケーションに土地を購入した。15世紀のベネチアのルネッサンス風邸宅をモデルにデザインされていて、建材や内装に使われている資材はヨーロッパから運ばせて1903年に完成した。
1924年に彼女は亡くなったが、展示物を動かさず永久に美術館を継続していくようにと遺言を残した。それが老朽化した美術館を管理する人々を悩ませていて、美術品や建物の補修や増築ができず、美術館はマサチューセッツの裁判所に申し立てをし、補修や増築案を承認を取るために、長い年月を費やし2012年に増築が完成した。
1990年3月には、ボストンポリスに扮装した2人組の強盗が美術館に押し入ってフェルメールの合奏やレンブラントの自画像など計13点を盗み去り、現在でも見つかっていない。作品を動かさないようにというガードナー夫人の遺言は現在も守られていて、盗まれた作品が展示されていた場所には空の額縁がかかっているので、是非見落とすことがないようにして欲しい。
お薦めのアーティストは何と言ってもサージェント。ガードナー夫人の肖像画(綺麗に描かれ過ぎてる)は、伝統的な古典技法で描かれているのでとにかく綺麗。スペインのフラメンコダンサーを描いた”エルハレオ”は、夜の盛り場の一場面だが衝撃的に引き付けられる。ミケランジェロのデッサン”ピエタ”、ティツィアーノの”ヨーロッパ”、ボッティチェリの”聖母子”、19世紀を代表するアーティストの作品も多数所蔵。ドガやマネの肖像画やドラクロワ、コロー、クールベなどなど、世界を代表する美術館にも負けず劣らずの作品がある。季節毎の植物をアレンジをする美しい中庭もこの美術館の見所。
それから、ホーソン、ロングフェローなど19世紀を代表する文豪やエジソンなどの発明家、政界、財界の大物達からもらった古い手紙も保存されている。文字はすべて手書きのつづり文字だから判読は難しいが、、、岡倉天心からの手紙もあった。
そんなに大きな美術館ではないため、さっと見るだけなら60分、少しじっくり鑑賞するなら2時間あれば十分。
毎週火曜日とサンクスギビングやクリスマスなどアメリカの祝日は休館のため、事前に確認してから行こう。入場料$15。
最寄駅:Green Line Museum駅から徒歩3分。ボストン美術館からも徒歩3分なので、2軒セットで見るのがお薦め。
Isabella Stewart Gardner Museum イザベラ スチュワート ガードナー美術館
Michi
(日系ランドオペレーター)
未亡人になったイザベラガードナー夫人の個人コレクション。世界中を旅して収集したコレクションのクオリティーは高いものばかり。
- 投稿日2017/12/21
- 更新日2017/12/27
2017/12訪問
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ジャンル美術館・ギャラリー
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エリアフェンウェイ ケンモア
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住所
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アクセス路面電車グリーン線E Museum of Fine Arts駅 または Longwood駅から徒歩約6分
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電話番号+1-617-5661401
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営業時間[月・水・金]11:00-17:00 [木]11:00-21:00 [土・日]10:00-17:00
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定休日火曜日, サンクスギビング, 12月25日, 1月1日, 愛国者の日, 独立記念日
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予算入館料(大人) 20USドル
(18歳以下) 無料
(65歳以上) 18USドル -
公式サイト
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