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ブリュッセル (ベルギー) グルメの現地クチコミ

現地のプロ(2人)詳細

Chez Leon シェ レオン

栗田 路子 (コンサルタント、コーディネーター、通訳、ジャーナリスト)

深鍋ムール貝とフリッツをベルギーの国民食にした店

  • フリッツがおいしい
  • 定番人気

1893年創業のシェ・レオンは、その名の通り、ヴァンランケール一家の初代「レオンさんのうち」という意味。現在はポールとルーディ兄弟は5代目。すでにルーディの息子ケビンも立派な青年となって活躍している。家族代々のちょっとレトロな写真が、ムール貝をあしらった楽しい店内装飾とともにあちこちに飾られているから、この店の160年の歴史に想いを馳せながら味わってほしい。

現在シェ・レオンのあるあたりは、ブリュッセルっこの「胃袋」とも「聖なる島」とも呼ばれる食い倒れ横丁。2つの小路が交差するだけの狭い一角に、相当な数のレストランが軒を連ねている。

シェ・レオンは、11の小さな家を壁をぶち抜いてつなげたウナギの寝床のような構造。1000席以上の客席で、日に平均1000キロのムール貝を出すと言う。初代レオンさんが始めたのは、実は、フリッツの持ち帰り店が最初。その後、深鍋いっぱいのムール貝の香草蒸しとフリッツの組み合わせが大人気となり、とうとうベルギー人の国民食と言われるまでに。

とりあえず、キャセロール(両手鍋)いっぱいのムール貝! いくつかの味付けがあるけれど、パセリやセロリなどの香草を効かせたスペシャルが基本。フリッツ(フレンチフライ)がついて23.85EUR。開いたムール貝をガーリックバターにトマトソース、チーズでグラタンにしたムール・ア・ラ・プロヴァンサルもお奨め(18.75EUR)。旬の季節なら、生ガキならぬ、生ムールの「パケ」にも挑戦(11.55EUR)してみてほしい。ムール貝は4月中旬から7月中旬頃までオフシーズン。それでもムール貝という人は迷わずにシェレオンへ。水温の異なる世界中の海から年間通して調達しているのはシェレオンだけだ。

店員さんたちは歩合給で、一元のお客にはぞんざいな扱いとの噂もあるが、早めに大目のチップを払うなど工夫して、庶民的なムール貝三昧を楽しんでほしい。たかがシェ・レオン、されどシェ・レオン。生粋のブリュッセルっこのおばちゃんも、「たまにはシェ・レオンで食べないと落ち着かないわ」というほどの老舗であることに間違いはないのだから。

  • 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。