チェンマイの「建都」は1296年のこと。チェンマイ南郊にある現在のウィアン・クム・カーム遺跡に王城を築いていたマンラーイ王が遷都を決意したとき、この地にあった離宮に王宮を築くこととしました。そこに建立された寺院がワット・チェンマンです。現在世界中の旅行者を魅了しているチェンマイは、この場所からスタートしたということですね。
その中でも最古の建造物とされる基壇部を象に囲まれた「仏塔」は、看板通り歴史の重みと風格を感じさせるもので、このお寺のシンボルといってもいいでしょう。
さらに見落としてはならないのは、このお寺にはチェンマイ建都よりはるかに古くから現存する、タイの歴史においても非常に重要な意味をもつ至宝が納められているのです。
本堂の右手にあるお堂(旧本堂)に納められた二つの小さな仏像がそれです。水晶でできた坐像「プラ・セータンカマニー(プラ・ケーオカーオ)」と大理石の立像「プラ・シーラー」は、同じくチェンマイ旧市街にあるワット・プラシン所蔵の「シヒン仏」、さらにはバンコクのワット・プラケオのご本尊「エメラルド仏」とも匹敵するほど重要な仏像とされています。なぜバンコクのエメラルド仏まで言及するかというと、かつてこの仏様もチェンマイのワット・チェディ・ルアンやワット・プラシンに納められていた時期があったのです。
二つの仏像はチェンマイ建都以前からマンラーイ王が所有し、さらに古い時代の王から受け継がれきました。雨をもたらす力があるとして、タイ旧正月・ソンクラーンのパレードのときには、上述のシヒン仏などチェンマイを代表する仏像たちとともに市中を練り歩きます。
チェンマイは興亡の歴史の中で荒廃していた時期が長くあり、建造物のほとんどは20世紀以降に復興されたものです。その中でプラ・シーラーなどは8世紀にスリランカからもたらされたとされる至宝中の至宝。格子のついた厨子の中に厳重に納められているのも頷けます。
ところが、重要な仏様がここにおられることを知らせる掲示も目立たないし、タイ国政府観光庁の公式情報で「本堂に安置」と記載されていたりして(正確には「旧本堂」)、素通りして帰っていく観光客が多いのは残念なことです。
ワット・チェンマンは旧市街のやや北寄りにあるためか、旧市街で必見とされる定番寺院の中でもワット・チェディ・ルアンやワット・プラシンのようにいつも観光客で混雑しているわけでなく、意外なほどひっそりとしています。しかし逆に、タイの歴史の中でも最も古いとされる文化財をじっくりと鑑賞できる願ってもないチャンスともいえるでしょう。
Wat Chiang Man ワット チェン マン
チェンマイの歴史よりも古い「小さな至宝」
- 投稿日2017/09/05
チェンマイで最初に建てられたお寺
- 投稿日2015/10/12
- 更新日2015/11/30
チェンマイで一番古いお寺。チェンマイを建都したマンラーイ王の屋敷だったところに、1296年に建てられた。
門を入ると本堂が2つあるが、正面のものは新しいもので、中は朱色の世界が広がっている。壁に金箔で描かれている絵は、チェンマイの歴史を表している。料理をしているところ、お寺を建てている様子、水牛を生贄にして儀式を行っている場面など、1つ1つ見ていくと当時の生活がわかって面白い。
右側にある本堂は昔からあるもので、水晶のプラ・セタンカマニーと、大理石のプラ・シラーというチェンマイで重要な仏像が安置されている。
本堂をお参りしたら、裏手に回ってみよう。そこには、チェンマイ最古の仏塔が立っている。スコータイの影響を受けたラーンナー様式で、16頭の象がぐるりと仏塔を支えている。
余談だが、敷地には犬の世話をする人がいるのか犬がたくさんいて、大概
はゴロゴロ寝ているが、餌の時間になるとすごい勢いで集まってくる。ちょっとびっくりするが、タイ犬は背中の一部だけ逆向きに毛が立って生えているので、観察すると楽しいかも。(でも触らないように)
【行き方】旧市街の北側、チャーンプアック門より1本東側。赤色ソンテーオ(乗り合いタクシー)に乗るか、徒歩。旧市街の1辺は約1.8km。
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ジャンル寺・神社・教会
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エリアチェンマイその他
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住所
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アクセスターペー門からソンテウ約4分, 徒歩約12分
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電話番号+66-53-213-170
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営業時間6:00-17:00
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定休日無休
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公式サイト
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