標高130mの白玉山は旅順港を間近に望む展望台として、中国各地から観光客が訪れる人気スポットです。
山頂には旅順市街からも望むことができる白玉山塔が建っています。
高さ66.8mの白玉山塔は、日露戦争で犠牲になった日本人約2万人の遺骨を収めた表忠塔でした。旅順の攻囲戦を指揮した乃木希典将軍が地元の山口県から花崗岩を取り寄せて造ったもので、慰霊の意味を込めてロウソク形をしています。塔の名は中華人民共和国建国後に白玉山塔に改められました。
山頂からは旅順港を一望。軍港として良港だった様子がよくわかります。西には二〇三高地、東北には東鶏冠山が望め、市街の風景も広がるビューポイントです。山頂には海軍兵器展示館もあります。
白玉山南道中腹にある大砲は清朝がドイツから購入した古砲で、日露戦争時はロシア軍が旅順の防御を固めるために旅順港西南に位置する老鉄山に置き、戦争終結後に白玉山に置かれたものです。当時を物語る貴重な資料でしょう。展望を楽しんで山頂周辺をめぐるには、1時間はかけたいところです。
白玉山へは旅順駅からタクシーで約5分。入山料40元。白玉山南麓からは山頂へのロープウェイもあります。タクシーで山頂に上がり、下山はロープウェイで旅順港に下るというコースもオススメです。
Baiyu Hill 白玉山 バイユーサン
旅順港と市街を望む展望地
- 投稿日2019/10/18
旅順海戦の戦死者を除霊する巨大な塔が100年間旅順口を見守る
- 投稿日2015/10/23
- 更新日2015/11/30
白玉山は、浅田次郎の『蒼穹の昴』で非常にかっこよく登場する李鴻章が名付けたもので、日露戦争後に、乃木希典と東郷平八郎らの発案で旅順口を見渡せる場所に慰霊塔を建設し表忠塔と命名しています。
1909年(明治42)完成のこの塔は、ローソクを模したものとも言われ、高さ66.8m、24階相当をアメリカ製の螺旋階段で上がることができます。ですが、この階段、恐怖を覚えます。下が丸見えで、100年間のメンテンスはどうなっているのかを考えると怖さも倍増します。しかも最後の階段が断念しちゃう人がいるくらい急です。その分、屋上からの眺めは塔の下より格別の一言に尽きます。塔への入場料は10元(約190円)です。
塔の土台は、乃木の故郷である山口の徳山から運ばれた花崗岩。塔の資材に使われたのは、広瀬武夫中佐が戦死した旅順口海戦で沈没した艦船などを引き上げ用いられとされます。
この場所も2009年12月まで日本人は訪れることができませんでした。ここでは塔、旅順口の他にもう1か所見どころがあります。
旅順口と反対側にある現在は軍艦が置かれた場所には、1906年に鎮座した白玉山神社がありました。かつて社があった下には2万2723人の日本人戦死者の遺骨が納骨されていた納骨堂が3か所残されています。
社があった場所までのコンクリートの階段は当時のままです。ここに納骨されていた遺骨は終戦の混乱の中、大連を経由して、東京泉岳寺へ運ばれたと言われますが、残念なことに詳細は不明なままです。
白玉山は、入山料40元(約760円)。海側からはロープウェイで上ることができます。片道15元(約280円)で10分ほど。下りのロープウェイでは記念撮影された写真を10元(約190円)で買うことができます。徒歩で上ると30分ほどかかります。途中には清朝末期の大筒や戦前から残る旧別邸などを見ることができます。
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ジャンル山・高原
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エリア大連その他
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住所
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アクセス旅順駅(旅順汽車站)から車で約6分
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電話番号+86-411-86620154
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営業時間7:00-18:00
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定休日無休
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