フィレンツェの伝統工芸品のひとつに、マーブル紙があります。
マーブル紙の技法は「パピエクブ」と呼ばれ、
17世紀フランスのルイ13世に仕えた製本士によって考案されたもので、
紙の手細工として最も古いものです。
高価な革による製本の代わりにマーブル紙が用いられたこともあり、
この技法はヨーロッパ各地で20世紀初頭まで盛んに行われていました。
しかし、現在ではこの技法はほとんど使われなくなり、
フィレンツェのイル・パピロだけがこの伝統的な技法を引き継ぎながら、
現在でもマーブル紙を作っています。
マーブル紙の作り方は、特殊な溶液の表面に様々な色のインクを垂らし、
櫛、刷毛、ブラシなどで表面を滑らせて模様を作り、最後に紙に転写します。
ベースが液体で流動的であるのと手作業のため、
同じように作っても毎回模様の出方が微妙に違い、
ひとつとして同じ柄のない1点物の紙が出来上がります。
日本の墨流しのヨーロッパ版といったところでしょうか。
日本の墨流しの方がマーブル紙より古いので、
墨流しがヨーロッパに伝わったという説もあるようです。
店舗はフィレンツェ市内にいくつかあり、
一番行きやすいのはドゥオモ(大聖堂)の脇にある店ですが、
お勧めはドゥオーモ広場から出ているサンマルコ広場に通じる
Via Cavourカヴール通り沿いにある店。
この店では、接客中でない限り、店員さんに頼めば随時マーブル紙の実演を見せてくれます。
また週4~5日、日本人の店員さんもいます。
実演は、シニョーリア広場とドゥオーモの間の、Via de’Tavoliniタヴォリーニ通りにある店でも
見ることができます。(ドゥオモ脇の店では実演はやっていません。)
店内には、マーブル紙を使ったレターセットや筆立て、写真立てなどの小物、
マーブル紙で製本したノート、ダイアリーなど、マーブル紙を用いた様々な文具が売られています。
文具だけでなくマーブル紙そのものも売られているので、
紙だけ買って自分でブックカバーや小物を作るのもいいですね。
紙ですから、軽くてかさばらないのもお土産として最適です。
Il Papiro イル パピロ
山岸 玲子
(トラベルコンシェルジュ)
ひとつとして同じ柄がない1点物!フィレンツェの伝統工芸品マーブル紙
- 投稿日2014/09/30
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エリアサン ロレンツォ
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住所
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アクセスドゥオモ広場より徒歩2分
(他にも徒歩5分、7分の所に支店がある) -
電話番号+39-55-215262
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営業時間10:00-19:00、[日]10:00-18:00
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定休日1月1日、5月1日、12月25・26日
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公式サイト
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