スペイン・イスラム最後の王ボアブディルが所有していた土地に、1504年、カトリック両王の出資で工事が始められ、16世紀前半にほぼ完成した後には、貴族たちの霊廟としても機能するようになりました。スペイン国王カルロス1世(神聖ローマ帝国皇帝カール5世)夫妻は、新婚の時間をグラナダで過ごし、その際には王妃がこの修道院に滞在しました。このように由緒ある修道院として大いに栄えた時期があったものの、19世紀には、ナポレオン軍による接収や、修道院廃止令のせいで、一時はほぼ廃墟となったこともあったのです。今では修復され、ヒエロニムス会の修道女たちが修道生活を送っています。
教会堂部分での見どころは、1570年から1605年にかけて造られた主祭壇で、壮麗の一言に尽きます。それでいて、やや暗い堂内に浮かび上がる様子は、決して単に派手なだけではない、品格を感じさせます。また、静かな中庭周辺には、かつて修道女たちが使っていた食堂も、当時の様子のままに残り、古刹としての雰囲気が漂う空間です。人で溢れる観光地に疲れたら、是非立ち寄ってみて下さい。
当初は町の外に造られた修道院でしたが、この修道院のある辺りは今では学生街となって町中に取り込まれました。大聖堂からは徒歩7分です。開館時間はややイレギュラーなので、立ち寄る前に電話で確認されると良いでしょう。
San Jeronimo Monastery サン ヘロニモ修道院
ベルナルド・タカハシ
(旅行コーディネーター)
古寺の風情と風格
- 投稿日2016/01/27
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ジャンル寺・神社・教会
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エリアセントラル ディストリクト
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住所
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アクセスグラナダ駅から徒歩約13分
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電話番号+34-958-279337
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営業時間夏季: [月-土]10:00-13:00, 16:00-19:00 [日]11:00-13:00,16:00-19:00, Winter: [月-土]10:00-13:00, 15:00-18:00 [日]11:00-13:00, 15:00-18:00
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定休日季節により異なる
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予算入場料(大人) 6ユーロ
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公式サイト
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