キューバと言えば、どうしても美しい海にスポットが当たりがちですが、実は山も決して海に劣らない魅力に満ちています。その代表的存在が、1999年に世界文化遺産に指定されたビニャーレス渓谷。
類い稀な景観美に加え、自然環境に融合した建築物とそこで培われた文化が、ユネスコから高い評価を受けた結果です。
渓谷はジュラ紀に形成されたカルスト地形で、隆起石灰石の岩山と窪地が渓谷を織り成しています。岩山のあちこちに鍾乳洞が点在し、ボートで洞内を巡れたり、先住民の住居跡や黒人奴隷の隠れ家、ゲバラが軍事教練を行なった洞窟を見学できたり、洞穴レストランで食事が取れたりと、様々な楽しみ方が可能です。
渓谷地帯の総面積は、132平方 km。そこに多様な動植物が生息しており、最近では、エコツーリズムのメッカとしても注目されています。ネーチャーガイドが案内する自然観察ハイキングやバードウォチングのプログラムも用意されていて、人気があります。
山麓地帯では、先住民の頃から、煙草の栽培が盛んで、その葉を乾燥させるための独特な木造建築が、煙草畑の中に垣間見られます。ここで生産される上質な煙草の葉は、北方約30kmにある州都、ピナール・デル・リオへ運ばれて、ボリバールやコイーバ等の高級葉巻に加工されるのです。ピナール・デル・リオでは、葉巻工場の見学ができます。
Vinales Valley ビニャーレス渓谷
池上和徳
(DTACキューバ観光情報局代表)
カルスト地形が織り成す自然と歴史のハーモニー
- 投稿日2016/03/24
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ジャンル渓谷・滝 世界遺産
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エリアビニャーレス
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住所
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アクセスホセ・マルティ国際空港から車で約165分
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営業時間通行自由
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定休日無休
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