フィンランドを代表するデザイナー・建築家であるアルヴァ・アールトの手がけた建造物はヘルシンキ市内に14件。その中からあえて訪問地を一つに絞るとしたら、やはり自邸(Alvar Aallon kotitalo)に限るだろう。彼の名を一躍高めたアールトベース(クリスタルの花瓶)を初めとして、今も人気の高い家具類、著名建築物に採用されている丸窓や浴室のシンクなど。商品にはならなかった試作品も含め、世界中に羽ばたいていった作品の原石がすべて集約されているといっても過言ではないからだ。加えて、40年に渡って巨匠が暮らしていた空間に浸れるのが感慨深い。
自邸は1936年、アールト38歳のときに完成。最初の20年は住居兼事務所、その後の20年は住居としてのみ使われていた。2度目の妻エリッサ(Elissa)が94年まで、その後は親族が住んでおり、一般公開が始まったのは2002年から、と意外に新しい。
内部見学は冬季を除きほぼ毎日(月曜休館)可能だが、アールト財団公認ガイドの案内の下、午後に1時間おきに行われる(時間等は後述)。個人の場合、事前連絡は不要だが、一度の見学者数は20人以内に限られているので、夏場のシーズン中はツアーを一回(1時間)見送ってもよいくらいの余裕をもって訪れたい。
英語による案内が基本だが、日本語に通じたガイドもいるので、見学客が日本人だけの場合、日本語での説明を受けられることもある。どうしても日本語でのガイドを望むなら、通常の時間外に1グループ80ユーロの追加料金で予約することができる。
行き方:4・4Tトラムで北方向に15分。Laajalahden aukio下車。進行方向に進んで最初の道(Laajalahdentie)を左折、次の道(Riihitie)をまた左折。100メートル弱進んだ右側。
The Aalto House アルヴァー アールト自邸
世界的に成功を収めた作品群の萌芽がここに
- 投稿日2015/03/23
都会に佇む大人の空間 世界が認めるアアルト空間
- 投稿日2015/03/23
フィンランドが誇る世界的な建築家・アルヴァ・アアルト。
アカデミア書店やフィンランディア・ホール、幼少期を過ごした街・ユバスキュラで夏の間だけ公開されるサマーハウスなど、彼のデザインはヘルシンキのみならずフィンランド中の至るところに溢れていますが、1936年に完成し、彼が妻のアイノと共に晩年をすごした自宅がこちら。
現在はミュージアムとなって公開されています。
隣接されたアトリエスタジオも公開されていて、自宅は一見小さな家ですが、見た目がとても個性的。
室内も家具や床に木を多様に使用し、非常に温かみがあり、落ち着いた雰囲気。
世の中にこんな素敵な家が存在するのか、、と自分の家と比べてみたり、また自分が同じようにここで、こんなに素晴らしいインテリアに囲まれた中で生活するのを想像すると、思わずため息すら溢れてきます。
室内に差し込んでくる日の光を上手く利用し、同じ「木」でも随所にその木の持つ特質を活かし、淡い色・濃い色を上手く組み合わせ、非常に奥行きのある見せ方をした室内やアトリエは必見。
見学の際はヘルシンキカードが利用できる他、隣接するアトリエと自邸の入場券をセット販売もしています。
自邸・アトリエは有料ですが、併設されているショップは入場無料。
建築に興味のない方でも、せっかくのフィンランド旅行の記念に、ちょこっと覗いてみるのもいいかもしれませんよ。
【行き方】
トラム4/4T Laajalahden aukio下車、徒歩5分。
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エリアヘルシンキ
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住所
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アクセストラム4番線 Laajalahden aukio駅から徒歩約4分
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電話番号+358-9-481350
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営業時間[火-日]12:00-16:00(詳細は公式サイトを参照)
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定休日12月6・24・25・26日, 1月1日
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予算入場料(一般) 30ユーロ
(学生およびシニア) 15ユーロ -
公式サイト
- 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。
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