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ヘルシンキ (フィンランド) 観光の現地クチコミ

現地のプロ(6人)詳細

Helsinki Art Museum (HAM) ヘルシンキ市立美術館

花奈 (ライター)

トーベ・ヤンソンのファンなら必見! ムーミンがもっと愛しくなる

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ヘルシンキ市立美術館、通称HAMは、ヘルシンキの街全体にある約9000点の芸術作品を所蔵する美術館で、公園や街角、図書館や学校のために購入された芸術作品のほとんどがHAMのコレクションです。
展示スペースは、地下鉄カンピ駅の斜め向かい側、テニスパラッチと呼ばれる白い大きな建物の2階にあり、フィンランドや世界の近現代美術を展示しています。
テニスパラッチは、1937年に室内テニスコートとして建てられた機能主義建築物で、建物自体が観光スポットです。現在は、カフェやレストラン、映画館などが入った複合娯楽施設になっており、2015年9月にHAMの展示スペースがオープンしました。

HAMをおすすめする一番の理由は、ムーミンの作家トーベ・ヤンソンの作品がとても充実しているからで, ムーミンとはひと違うトーベの魅力に出会えます。トーベ・ヤンソンやムーミンファンの人にはぜひ訪れてほしいスポットです。
トーベは彫刻家の父と商業デザイナーでイラストレーターでもあった母親の間に生まれ、幼いころから、自分も芸術家になることを考えていました。15歳でプロのイラストレーターのキャリアをスタートし、10代後半には、ストックホルムで商業デザインを、ヘルシンキでは美術を学び、20代になるとフランスやイタリアに奨学金で渡り、絵画技術を学んだそうです。帰国後は、イタリアで学んだフレスコ画の技法を駆使して、公共建築物の壁画を描きました。この頃の作品がHAMには展示されています。

たとえば、こども病院の壁画のスケッチやヘルシンキ市役所内のレストランにあった壁画、そして、電気機械工場の食堂に描かれた壁画『1945年の電力』などで、どれも大きな作品です。展示されていた場所の閉鎖や解体の際、ヘルシンキ市のアートコレクションに寄付されました。

展示されているフレスコ画には、なぞ解きのような楽しさがあるので、ギャラリー内に用意されているプラスチックの解説ボード(日本語もあります)と照らし合わせてじっくり見てください。都会のパーティと田舎のパーティが描かれたフレスコ画の中には、トーベ自身が群衆の中にいますし、テーブルのそばにはムーミンの姿も見つけることができます。
このように、展示されているコレクションの素晴らしさはもちろんですが、美術館を訪れた人がもっと楽しめるように、その作品のメッセージを理解できるように工夫しているところも、HAMの魅力だと思います。
トーベ・ヤンソン展覧会は2022年12月31日まで開催されています。

また、2020年1月26日までエレン・テスレフの展示会も開催されています。自画像が有名なテスレフですが、木版画表現を一新したフィンランドを代表するアーティストのひとりで、素晴らしい作品がたくさんあるので、こちらもお見逃しなく。彼女の作品はアテネウム美術館でも見ることができます。

入場料は12ユーロ、18歳未満は無料 ただし、美術館の一部は常時無料で入館できます。
HAMのあるテニスパラッチは地下鉄カンピ駅から徒歩すぐです。

2017/06訪問
  • 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。