昔から人々の憩いの場として愛されてきた香港式のカフェ「冰室」。
1960年代には食事メニューがさらに充実した「茶餐廳」が出現し、
脈々と続く香港カフェ文化の系譜を現代に伝えています。
家族経営の地元密着店が街中いたるところで地元っ子の胃袋を満たしていたり、
まるでファミレスのように進化を遂げた茶餐廳が中国大陸までチェーン展開していたりと、
もはや香港の文化といっても過言ではありません。
香港人に対する「一番香港らしいものは?」というアンケートNo.1が
「茶餐廳」という結果も納得できます。
近年はスタバなど西洋式のカフェやファストフード店の拡大にともなって、
昔ながらの雰囲気を残した老舗がどんどん閉店している悲しい現状もあります。
そんな老舗の中でも、ガイドブックはもちろん、地元メディアや映画登場率などで
一番有名なのが、なんといってもここ美都餐室です。
約60年の歴史をもつこのお店、一歩足を踏み入れればタイムスリップしたような
レトロな空間が広がっています。
二階の窓際の席に座って、隣の天后廟の緑を眺めながら、香港式ミルクティーを口に運べば、
いつの間にかあなたも香港人の仲間入り。
欧米からの観光客にも人気のスポットなので、店員さんは英語対応可能。
はじめての茶餐廳体験にもおすすめの場所です。
(実は英語の通じる茶餐廳はなかなかありません。)
ここでの定番メニューは、やはり西多士(香港式フレンチトースト)。
香港式は焼くのではなく油で揚げます。見た目はなんと厚揚げのよう。
たっぷりのバターとはちみつをつけて頂くヘビーな一品です。
これに合わせるドリンクは凍鴛鴦茶(アイスおしどり茶)。
おしどり茶とは、コーヒーとミルクティーをミックスしたドリンク。
日本人の感覚からするとありえない感じですが、
香港ではスーパーでも即席粉末が売られている定番ドリンクです。
そして夏の定番スイーツ紅豆冰(あずきミルク)。
ぜんざいとエバミルクにたくさんの氷を入れたレトロなドリンクデザートです。
地下鉄油麻地(ヤウマーテイ)駅から徒歩5分くらい。
近くには観光スポットとして有名な男人街やヒスイ市場、
夕方以降は占い師のメッカになる天后廟があります。
夜にはお店の周りに露天がたくさん出て夜市のような雰囲気も楽しめます。
写真左から時計回りに
西多士(香港式フレンチトースト/$20)
凍鴛鴦茶(アイスおしどり茶/$17)
紅豆冰(あずきミルク/$20)
Mido Cafe 美都餐室 ミドー カフェ
原田 悟
(飲食店経営、コンサルタント)
香港の文化と言っても過言ではない茶餐廳を代表する老舗
- 投稿日2014/09/30
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ジャンルファーストフード その他中華料理 カフェ
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エリア佐敦
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住所
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電話番号+852-23846402
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営業時間8:30-21:30
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定休日旧正月、清明節、中秋節
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予算20~75香港ドル
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