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現地のプロ(4人)詳細

Mehmet Efendi(Eminönü) メフメット エフェンディ(エミノニュ)

トルコツボ (ライター、編集、翻訳)

トルコからヨーロッパに渡った、かぐわしいトルココーヒーの歴史

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エジプシャンバザールの裏手を歩いていると、疲れをいやす芳しいコーヒーの香りが漂ってくる。覗いてみると、挽きたてのコーヒーを求めて買い求める人たちの行列が続いている。ここは、1932年からこの地で創業をしているコーヒー粉販売の老舗、マフメット・エファンディ。その歴史を古く、1871年に父から受け継いだコーヒー豆販売を、それまで家庭で挽いていた豆を創業者自ら挽き、売り始めたのが始まりである。今では、トルココーヒーの代名詞ともなった老舗メーカーは、国内はもとより国外でもナンバーワンのシェアを誇る。
トルココーヒーの歴史を紐解くには、16世紀にさかのぼる。オスマン帝国のイエメン統治者が、コーヒー豆を皇帝に献上したことが始まりで、その後、1615年イタリア・ヴェネツィアを皮切りに、マルセイユ、パリ、ウィーンへとヨーロッパに広がっていった。
私たちが知る一般的なフィルターコーヒーとトルココーヒーの最も大きな違いは、トルココーヒーでは、こさずに、直接水に粉を入れて沸かし、上澄みだけを飲むということ。トルココーヒーの上手に淹れるには、「ジェズベ」という銅製の柄杓型の小鍋が必要だが、家庭にある小鍋でも代用できる。一人前の作り方としては、以下の通り。
①コーヒーカップ一杯の水と大匙一杯のコーヒー粉を鍋に入れ、好みで砂糖(角砂糖一つが目安)を入れて、よくかき混ぜる。
②弱火で、泡立ってくるまで待つ。火にいれた後は、スプーンでかき混ぜないように注意。かきまぜるとトルココーヒー独特の泡がたちづらくなる。
③泡立った上澄みをコーヒーカップに入れ、沸騰するまで少し待つ。
④沸騰したら、すぐに火をとめて、残りの汁をカップに注ぐ。
トルココーヒーのポイントは、泡立った上澄み。これがないと、トルコ人はおいしく感じられないよう。上澄みだけを飲み、下に沈殿している粉は残す。最初飲む時は、粉っぽく飲みづらく感じられるが、そのうち、その濃厚な味わいが病みつきに。飲んだ後は、カップを皿にひっくり返して、トルコ人はコーヒー占いを楽しむ。カップ内の染みの形を動物や自然の物に想像しながら、占いをしあう。これもまた、トルココーヒーの別な楽しみ方といえる。
店内では常に3台の豆挽き機がフル稼働し、香り高い挽きたての新鮮なコーヒー粉を手に入れることができる。値段は、115g/4TL(160円)、250g/9TL(360円)、500g/17.54TL(700円)、他にエスプレッソやフィルター用コーヒー、コロンビア、ブラジリア、カフェインなしのコーヒー粉も販売。袋に入っているコーヒー粉は、開封したらガラス瓶に入れて、冷蔵庫に保管すると、1カ月ほどは新鮮な香りが楽しめるのだそう。

  • 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。