Rustem Pasha Mosque リュステム・パシャ・ジャミイ（リュステム・パシャ・モスク）

私がイスタンブールで一番好きなモスクです。
大きくもありませんし、目立つ場所にあるわけではないのですが、
これ程までにイズニクタイルが現存し、じかで見れるモスクはそうありません。

場所は、トラムヴァイ：路面電車のエミノニュ駅から徒歩5分程度。

エミノニュの問屋街に位置し、位置口は少しわかりづらいです。
モスクの下が商店となっており、そこの賃料がモスクに寄進されるようになっています。

大きなモスク以外では、こうした形態のモスクも結構ありますが、
このモスクはリュシュテムパシャ宰相のために、
時のシュレイマン大帝が作らせました。
リュシュテムパシャは、シュレイマン大帝の娘婿でもあります。

しかも、このモスクを建てたのは、トルコの大建築家ミマール・シナンです。
観光地ながら、その立地の所為か、シーズンでもそれ程の観光客は訪れません。
ですので、いつもゆっくり見て周れるのが、このモスクの魅力でもあります。

内部や外部に張られた、
素晴らしいイズニクタイルは、現存する中でも最高のものばかり。
400年以上前の本物のイズニクをこんなに沢山目にできるモスクは、そうはないのです。

実は、このイズニクタイルはイスラム世界で大変価値があり、
盗難にあってしまったモスクも多く、現存している数も多くはありません。
その為、ここまで全体に美しく残っているのは奇跡のようなのです。

必見は、階段を上がってすぐの外壁に埋め込まれた【Spring tree】と呼ばれる、
春の花を一本の木に描いたパネルです。
どのイズニクタイルの洋書にも乗る代表的な作品です。
もちろん、内部も天井以外は、隅々まで青いタイルで埋め尽くされています。

ぜひ、このモスクで、オスマントルコ時代の芸術に浸ってみていただきたいです。

モスクは、寄進で運営されていますので、もしよろしければ、
入り口にあるお布施箱に数トルコリラでも入れていただければと思います。