Rules Restaurant ルールズ・レストラン

英国料理はまずい！　というのが世界の常識のようになっていますが、それを信じている方は、ぜひ一度ルールズにいらしてみてください。

創業1798年、200年以上の歴史を誇るルールズは、ロンドンでいちばん古いレストランとして、また伝統的な英国料理を味わえるお店として、現地の人にも観光客にも大人気。英国にも美味しいものはちゃんとあるんですよ。


落ち着いた雰囲気の店内は、壁いっぱいに掛けられた額入りの絵や写真や切り抜きがとても印象的です。英国らしい絵が描かれたものあり、ユーモアにあふれたものあり、著名人にゆかりのあるものあり…と、見飽きることがありません。

19世紀に『オリバー・ツイスト』や『クリスマス・キャロル』を書いたイギリスの文豪チャールズ・ディケンズをはじめ、作家のグレアム・グリーンや喜劇王チャップリンなど、たくさんの著名人が通ったことでも知られており、自分のテーブルにチャップリンも座ったかもしれないと考えると楽しくなります。


ルールズで味わえるのは伝統的な英国料理が中心。手間がかかるので家庭ではあまり作られなくなった蒸し料理も出されるため、イギリス人の家族や友人たちは、メニューを見るとなんだか嬉しそうにしています。

メニューの中で特に有名なのは「ゲーム」。ゲームとは秋の狩りの季節に仕留められる狩猟肉、フランス料理でいうジビエのことです。

ルールズでは専用の狩猟場から新鮮なキジ、ライチョウ、野ウサギ、シカなどを仕入れており、それも人気の理由のひとつだそう。変わったお肉を試したい方は、ぜひ秋にいらしてみてください。

ただ、ゲームは季節が限られるので、定番メニューでのおすすめはローストビーフです（Rib of Beef for two／1人前35.95ポンド）。

2人前からのオーダーになりますが、ボリュームたっぷりな上、プレゼンテーションも美しく、お味も極上。有名店を含めこれまでいろいろなローストビーフを食べましたが、個人的にはルールズのローストビーフが最高だと思っています。

ロースト料理につきもののヨークシャープディングも大きく、さらにポテトのクリームグラタンと野菜も添えられます。


ボリュームたっぷりのローストビーフを注文する時には、お腹がいっぱいになりすぎないように私は前菜をとりませんが、怪訝な顔をされたことはありません。またメインのお料理が出てくるには少し時間がかかるので、その間手持ち無沙汰なら、サイドのサラダを前菜にお願いすることもできます。

高級レストランなのに臨機応変に対応してくれるのもこのお店のよいところ。ウェイターさん、ウェイトレスさんたちも、とても丁寧ながら格式張りすぎず、親しく話ができる雰囲気です。

日本語のメニューはなく、日本語を話せる店員さんに会ったこともありませんが、お店のパンフレットには日本語版があります。


食事をするのは1階ですが、機会があれば2階のバーも覗いてみてください。飲み物や軽食を楽しむこのバーは、ぐっと静かで落ち着いた雰囲気。気分がタイムスリップして、200年の間に交わされた会話や人間模様に思いを馳せてしまいますよ。

ルールズは地下鉄コベントガーデン駅、チャリングクロス駅、レスタースクエア駅から徒歩それぞれ5、6分のアクセス。

コベントガーデンやトラファルガー広場、劇場街などの観光スポットにも非常に近く、立地条件も最高です。正午の開店から深夜まで予約が可能なので、観劇前の早い時間の食事にもとても便利。

ただし大人気のディナーの時間帯は予約が取りにくいので、早めの予約をお勧めします。ウェブサイトから簡単にできますよ。

歴史の重みを感じるエレガントな店内で、おいしい英国料理をゆっくりお楽しみください。