高級住宅街マリルボーン地区の中でも、ひときわ目を引く大きく荘厳な建物、それがウォレス・コレクション。わたしも大好きな美術館です。
もともと収集家として名高かった第4代ハートフォード侯爵と、その私生児リチャード・ウォレス卿の個人のコレクションだったものが、国に遺贈され、侯爵家の邸宅のひとつであったこの場所で1900年から一般に公開されています。
第4代ハートフォード侯爵はパリで育ったためフランス関連の美術品が多く、特にフランス家具、磁器、武具、甲冑などは世界有数の貴重なコレクションになっているそう。
ウォレス・コレクションのいちばんの魅力は、侯爵家の邸宅だった建物に美術品が展示されているため、まるでどこかのお宅を訪問しているような楽しい気分になれることではないでしょうか。ふつうの美術館にいるよりも「ここでどう暮らしていたのかな?」なんて想像が働き、どこか親しみを持って美術品に向かい合える気がします。
また、つややかな壁紙やシャンデリアなど、光る素材を多用したロココ調の内装も見る価値たっぷり。壁紙の色が部屋によって変えられているのも、なんだか豊かな気分! 部屋ごとに“ここはダイニングルーム”などと詳細に紹介してあるためか、幼少期にお人形の家で遊んだ懐かしい感覚を思い出します。
個人の家としては大きいものの、美術館としてはこじんまりした建物なので、1時間半ぐらいで全体をほぼ見て回れるという達成感もこの美術館の魅力のひとつだと思います。
こじんまりしていると言っても、展示品自体は大きな美術館に決して引けを取りません。ヨーロッパを中心に、全世界から集められた15~19世紀の美術品はすばらしく、たとえば絵画ならルーベンス、ベラスケス、ヴァン・ダイク、レンブラント、カナレットなど著名な画家の作品もずらりと並んでいます。ウォレス・コレクションではつい最近まで他に貸し出しをしていなかったので、これまで外に出たことのない作品がほとんどのようです。
こんなにゴージャスな美術館でありながら、国が運営しているので入場は無料。しかも、住宅街にひっそりと佇むように在るせいか、それほど混雑していないのも魅力です。華やかな邸宅や貴重な美術品をゆったり鑑賞できますよ。
毎日14:30には無料で館内を案内してくれるツアー(予約なし、先着順、英語のみ)があり、金・土・日曜には追加ツアーも。館内には特に日本語の案内はありませんが、そこはこじんまりした組織のよさで、スタッフはみんな親切です。安心して話しかけてください。
ウォレス・コレクションは、地下鉄ベーカー・ストリート駅かボンド・ストリート駅から徒歩10分ほど。
老舗デパートのセルフリッジ、スタイリッシュなマリルボーン・ハイストリート、大型店舗が立ち並ぶオックスフォード・ストリートまでも歩いてほんの数分なので、ショッピングとあわせての観光にもとても便利です。
The Wallace Collection ウォレス・コレクション
ラッシャー貴子
(翻訳者/ブロガー)
貴族の華やかな邸宅で静かに楽しむ、一流のアート
- 投稿日2020/01/20
2019/12訪問
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ジャンル博物館・ミュージアム 美術館・ギャラリー
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エリアメアリルボーン
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住所
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アクセス地下鉄ベーカー・ストリート駅 または ボンド・ストリート駅から徒歩約10分
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電話番号+44-20-75639500
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営業時間10:00-17:00
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定休日12月24-26日
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予算入場料 無料
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公式サイト
- 上記の記事は、訪問時点の情報を元に作成しています。訪問先の都合や現地事情により、最新の情報とは異なる可能性がありますのでご了承ください。
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