タベルナ・デ・ミスター・ピンクレトンは、マヨール広場のクチジェロス門を出てすぐの、バルやレストランが並ぶ一角にあります。
普通、フラメンコの劇場は「タブラオ」と呼ばれます。ヒターノ(ジプシー)たちのエキゾチックで魂を揺さぶる歌と踊りの芸術を、静かに鑑賞するところが「タブラオ」。ただし、タブラオに集まるのは99%が外国からの観光客。地元のスペイン人はほとんど行きません。
そんな常識を覆して、フィエスタ(パーティー)の場にしようと考えたのが、ミスター・ピンクレトンとミセス・ワインのカップルでした。
グルメとフラメンコが何よりも好きで、人一倍陽気な2人は、クチジェロス門のそばにあった古臭い場所を、見事に、赤い水玉模様がとてもかわいい「タベルナ」に替えて舞台を設置。踊り子たちとお客さんが一体となって歌って踊って遊べる場を作り上げたのです。
フラメンコ好きなピンクレトン夫妻は、「せっかくやるなら、一流のクオリティじゃなきゃイヤだ」と、ラティーナにあるフラメンコ養成所「アモール・デ・ディオス」の教師やスペイン国立バレエ団の団員など、超一流のメンバーと契約。
また、ピンクレトン夫妻はさすがグルメだけあって、料理の質にもこだわっています。なぜって、ここは「タベルナ」(ビストロ/食堂)であって、「タブラオ」ではないからです。
おつまみには、最高級ハブゴの生ハムとともに、ぜひ、「マトリモニオ」(夫婦の意味)を味わってみてください。同じイワシでも、塩っぱいアンチョビと酸っぱいボケロネスの組み合わせは、違う味でもお互いを補い合うすばらしいハーモニーに。
おしどり夫婦ミスター&ミセス・ピンクレトンが提供する「マトリモニオ」は、他では滅多に味わえない絶品ですよ。
さらに、ミスター・ピンクレトンのすごいところはワインの量と質。グラスで400種類ものワインやアルコールを出せるのです。
その秘密をこっそりお教えしましょう。2人はメルカド・サン・ミゲルの中央で店を構えるワイン・ボデガのオーナーなのです。だからこそ、ワインも料理の味も保証付き!
ユーモラスで温かい2人のもとには、いつも大勢の人たちが集まってきます。メルカド・デ・サンミゲルでワインを飲んだ後にフラメンコ・ショーを楽しもうと、パーティーを愛するスペイン人も全国からやって来ます。
和やかな舞台は、世界中から来た人々を喜ばせるサービスが満載。イタリア人のグループがいたら「ボラーレ」を、コロンビア人のグループがいたら「グアンタナメラ」をフラメンコ調で歌うと、喜んだお客さんが歌って踊りだすという具合に。
そして、最後には、アンダルシアのウエルバの守護聖母「聖ロシオ」を讃える「サルベ・ロシエラ」を歌うのです。たとえこの歌を知らなくても、甘く切なく優しい調べと、「ole, ole, ole」を繰り返す耳に残る歌で、温かく幸せな気持ちに包まれることでしょう。
「サルベ・ロシエラ」♫
http://www.youtube.com/watch?v=dzaL3FQcuvA
マドリードは、多くの観光客の最初のあるいは最後の経由地ですね。到着を喜んでわっと盛り上がりたいとき、スペインの名残惜しい最後の夜を楽しく過ごしたいときは、タベルナ・デ・ミスター・ピンクレトンへ行きましょう!
La Taberna de Mister Pinkleton ラ タベルナ デ ミスター ピンクレトン
河合妙香
(記者、カメラマン、経営者)
ワインと料理と歌と踊り!タブラオを超えたフラメンコ!
- 投稿日2014/09/30
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ジャンルバー
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エリアアストゥリアス
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住所
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電話番号+34-91-3640263
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営業時間18:30-25:30
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定休日無休
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予算25~55ユーロ
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公式サイト
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