プラド美術館が開館してからすでに100年がたち、マドリードにカフェ文化が花開いていた1932年。コーヒーとお茶のディストリービューターとして「ボンボネリア・サンタ」は創業しました。
人々が社交と文化的談義を楽しむ粋なカフェが、マドリードにはいくつもオープンしていたのです。
南米やアフリカから持たさられるカフェは自家焙煎。アジアから直輸入されたお茶とともに、それらのカフェに卸したところ大評判になり、当時は5軒も店舗を構えてビジネスをしていたと言います。
現在のセラーノ通りには、1950年に店を構えました。ロエベのセラーノ店オープンは1959年。セラーノ通りがマドリードの中心になっていく歴史を物語っていますね。
アジアンなコロニアル・テイストのお茶缶や花瓶、画鋲がおしゃれな金色の棚、メタルの螺旋階段。高い天井にはレトロなライト。近年張り替えた壁布以外は、デコレーションは当時のままです。
ボンボネリアとは、「ボンボン専門店」の意味です。ボンボンは、日本語ではリキュールの入った丸いチョコレートというイメージですが、フランス語では飴玉の意味。
ところが、スペイン語では、フランス語のいわゆる「ショコラ」が「ボンボン」なのです。
最高級の素材で丁寧に作られた職人技のチョコレートは、形と大きさが違っても、何を選んでも、値段は量り売りです。
トリュフ、マカロン、ストロベリー味、繊細な糸を重ねて薪をイメージした「レーニャ」など、どれも美味。筆者の個人的なオススメは、ピスタチオ味のマザパンです。
スペインで獲れる濃厚なピスタチオと、スペイン名物のアーモンドをペーストにした、グリーンのマザパンを甘さを控えたブラックチョコレートで包んだ一品は、マザパンで有名なトレドでもお目にかかれません。上品な味わいは、赤ワインにも不思議と合いますよ。
お店に入ると、「TOLEDO」と書かれたレトロなレジが目に入ります。スペインのトレドではなく、米国オハイオ州のトレド産。かつてスペインのトレドから移民した人々が築いた工場の街。
スペインのトレドとも姉妹都市になっていますが、こんなところでその歴史を見聞するとは、面白いですね。
ボンボネリア・サンタのもう一つの自慢は包装布。布職人が作る特製の布が包装紙として用意されていたり、陶器のお皿やシマウマのイラストの入った箱など、手の込んだパッケージに、目が惹かれます。
大切な人のお土産はボンボネリア・サンタで買いたい。そういう気持ちになるすてきなチョコレート屋さんです。
Bomboneria Santa ボンボネリア サンタ
河合妙香
(記者、カメラマン、経営者)
大切な人のお土産は、古き良きマドリードを伝えるエレガントなチョコレート店で
- 投稿日2015/07/27
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ジャンルショップ
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エリアミラ デ オロ
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住所
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アクセス地下鉄 Serrano駅から徒歩約4分
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電話番号+34-915 76 86 46
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営業時間[月]10:00-14:00、17:00-20:30、[火-土]10:00-20:30
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定休日日曜日
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