外灘は、かつて「バンド(bund)」と呼ばれた上海の“顔”ともいえるところです。
アヘン戦争に勝利したイギリスによって上海の開港が余儀なくされ、欧米各国が次々に上海に進出。
上海の表玄関であった黄浦江西岸には、各国の共同租界がつくられました。
外国が借地した治外法権地である租界地が最初につくられたのが、この外灘です。
19世紀後半から20世紀前半に建てられた西洋建築は、列強各国のステイタス・シンボルでもありました。
ゆるやかな弧を描いて建ち並ぶ名建築群は、「建築万国博覧館」と称されるほど多様。
建築当時は銀行や商館だった建物は、近年リノベートされて複合ビルに生まれ変わったものもあります。
黄浦江を縁取るようにプロムナードがあるので、散歩がてらに名建築を鑑賞しながら歩くのがおすすめです。
まずは外灘の北側から名建築を紹介しましょう。
蘇州河に架かる外白渡橋のたもとに建つ「上海大厦」は、かつてブロードウェイマンションと呼ばれたホテル。
外白渡橋を渡って北京東路の角にある「The House of Roosevelt」はネオ・ルネッサンス様式の建物が目を引きます。
南京東路の北側には緑色の三角屋根が特徴の旧サッスーン・ハウス「フェアモント和平飯店」が、南側には赤と白のレンガを交互に並べた旧パレスホテル「スウォッチ・アート・ピース・ホテル」があります。
その隣にはネオ・バロック様式の「外灘18号」、「友邦大厦AIA」、アールデコ様式の「上海市総工会」、時計台のある「上海海関」、ギリシャ神殿を模した「上海浦東発展銀行」、「バンコク銀行」と続きます。
そして外灘のなかでも最も古い建物のひとつが1897年竣工のクイーン・アン様式の「外灘6号」。
さらに、「外灘5号」、「外灘3号」、ネオ・ルネッサンス様式のホテル「ウォルドーフ・アストリア上海オン・ザ・バンド」、バロック折衷様式の「外灘1号」と並びます。
およそ1.5kmにわたって立ち並ぶ名建築は、日没から22時ごろまでライトアップされ、格別な趣きに。
川向こうの近未来都市エリアとの対比も楽しめます。
外灘へは地下鉄2・10号線南京東路駅から歩いて5分ほどです。
Bund International Architecture Exhibition 外灘万国建築博覧群 ワイタンウァングオヂエン ジュウボウラン
えむくみ
(エディター / ライター)
租界時代の姿をとどめる上海の象徴
- 投稿日2019/03/14
- 更新日2019/03/18
2018/12訪問
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ジャンル旧市街・古い街並み
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エリア上海中心部
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住所
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アクセス地下鉄2・10号線 南京東路駅 7番出口から徒歩約9分
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