Sicao Green Tunnel 四草緑色隧道 スーツァオリュウサースイタオ

「四草緑色隧道」のある場所は、台江國家公園（日本の国立公園に相当）のエリアに含まれ、台湾有数の自然に恵まれた海岸湿地帯となっています。
同時に明朝末期、台南周辺を占領していたオランダ人から台湾を解放した英雄、鄭成功の軍勢が上陸した歴史的な場所としても知られています。
周辺は海岸湿地帯という地形を利用した塩田や養魚場が広がっていましたが、現在は干拓も進み、工場地帯への転化が進んでいます。
国家公園に指定されたエリアには、海上の森林といわれる紅樹林（マングローブ林）や海浜湿原の豊かな自然が残されています。

四草に行くと、船で湿原やマングローブ林を見学するコースが2つ用意されています。
1つは大型のいかだ船を使った「台江航路」で、こちらは乗船時間が約70分（乗船料200元）。
安平を流れる鹽水渓を遡ったり、河口の四草跨海大橋や嘉南大圳（日本人技師八田与一が烏山頭ダムを築くと同時に開削した用水路）などを巡る本格的航路です。ちゃんとした座席があります。
もう1つは、ここで紹介する「緑色隧道航路」で、小型のいかだ船に乗ってマングローブの樹林の中を航行する約30分のコース（乗船料200元）です。
こちらの座席は銭湯のイスのよう簡単なものです。

では、四草大眾廟という大きな廟のそばにある乗船場から、いかだ船に乗ってみましょう。
いかだ船といっても30人以上乗れる船で、エンジンで走るボートです。
船着き場からしばらく走るとマングローブの樹林が始まり、水路を覆う樹林はまさに「緑のトンネル」です。
この水路は台南でも初期の運河で、百年近い歴史があるそうです。
パンフレットなどではこの航路を「台湾版ミニアマゾン川」などと称していますが、それはちょっとオーバーな表現。
というのも、このマングローブ林は航路を両側から覆うように繁っていますが、その背後には残念ながらアマゾンのような自然林ではなく、人工の養魚場が広がっているからです。

乗船中はガイドが船から見える植物や鳥、カニなどについていろいろ案内してくれます。
中国語ですが、ガイドが指さす方向を乗客が一斉に見るので、なんとなくわかります。
観光というより、野外自然観察教室のような船旅です。

あっという間の30分のいかだ船の旅が終わったら、四草大眾廟をお参りしましょう。
300年近い歴史のある廟ですが、3層の屋根を持つ堂々たる現在の建物は1987年に完成した新しい建物です。
ちょっと一休みしたい、食事がしたいと思った、廟のすぐ近くのレストラン、台江美食桟がおすすめです。
地元の食材を使った海鮮系の料理や軽食がいろいろと揃っています。

四草緑色隧道へのアクセスは台鉄台南駅から台湾好行バス99番台江線で「四草生態文化園區（大眾廟）」バス停下車。バスが大変ならタクシーで約25分ぐらいです。

「四草綠色隧道」は近年台南で人気の観光スポット、「秘境」とも呼ばれています。
天気の良い日は、水上のマングローブが水面の映りと繋がって唇のように見えることから「エンジェルのキス」といわれています。
この絶景を見るために、ここ数年観光客が殺到。
祭日の連休などになると、毎日千人以上の観光客が訪れます。

台湾鉄道台南駅から2番バスで「四草站」、または「99台江線」で「四草大橋站/四草生態文化園區（大眾廟）站」で降りるとお寺が目の前にあり、
お寺の横がチケット売り場。チケットを買ってから、観光ボートに乗ります。

クルーズのルートは2つあり、「台江航線」と「綠色隧道」があります。
マングローブクルーズは「綠色隧道（ルゥィ ソーァ スゥイ ダオ ）」のルートなので、間違いないようにご注意ください。
チケット代は大人が200台湾ドル、小学生が100台湾ドルです。

マングローブクルーズは往復30分、笠を被って出発して、5分ほどでマングローブフォレストに入ります。
緑のトンネルの中で、まるでアマゾンにいるような気分になります。
「エンジェルキス」に出会えなくても、マングローブやメヒルギなどいろいろな湿地植物が見られて、カニや鳥などの生物にも出合えます。
天気の良い日はマングローブの木立ちから太陽の日差しが漏れる光景がきれいです。
台南市内から少し離れていますが、自然を満喫できるイチオシ観光スポットです。